恩寵用語Ps111
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詩111篇「堅く立つ」עָמַד アーマド
〔カテゴリー統治〕
3節「そのみわざは尊厳と威光。その義は永遠に堅く立つ。」
10節「主のほまれは永遠に堅く立つ。」
Keyword;「堅く立つ」 endure, can never change,
19:9/33:9/102:3, 9, 26/111:3, 10/112:3, 9/119:90,91/134:1/135:2/148:6
- 「堅く立つ」と訳されたアーマド(עָמַד)は、旧約で532回、詩篇では32回使われています。第一義的には「立つ」standを意味しますが、単に「立つ」ということではなく、いつまでも存続して変わらないこと、永遠の存続を意味します。他の聖書では、以下のように訳されています。3節後半を比べてみましょう。それぞれ味わい深い訳になっています。
①新共同訳「その義は永遠に続く」
②文語訳「とこしえに失することなく」
③口語訳「とこしえに、失せることがない」
④典礼訳「とこしえに及ぶ」
⑤フランシスコ会訳「とこしえに続く」
⑥バルバロ訳「永遠にとどまる」
⑦岩波訳「とわに立つ」
- この他にも、アーマドが使われている詩篇の箇所を調べてみると、「主への恐れはきよく、とこしえまでも変わらない」(19:9)、「主が命じられると、それは堅く立つ」(33:9)、「彼(主)の義は永遠に堅く立つ」(102:3, 9)、「これらのものは滅びるでしょう。しかしあなたはながらえられます。」(102:26)、「あなたが地を据えたので、地は堅く立っている。」(119:90)、「夜ごとに主の家で仕える者たちよ。」(134:1, 135:2)、「主は彼らを世々限りなく立てられた」(148:6)があります。
- この詩111篇3節、10節には「永遠に堅く立つ」(オメデット・ラアッド)とあります。「永遠に」と「堅く立つ」という永遠性を意味することばが重ねられて強調されています。
- この世にあるすべてのものは移り変わり、やがて滅びます。しかし、主と主のことば、主のなされることは永遠に存続します。決して変わることがなく、不変です。これは私たちにとってすばらしい恩寵です。不確実性の世界にあってこれは福音です。これはペテロがいうところの「生ける望み」(Ⅰペテロ1:3)です。それは「朽ちることも汚れることも、消えて行くこともない資産」(同、1:4)です。これが私たちのために「天にたくわえられている」(同、1:4) のです。それゆえ、私たちは「ことばに尽くすことのできない、栄えに満ちた喜びにおどる」(同、1:8)ことができるのです。ヘブル書の著者も「私たちは揺り動かされない御国を受けているのですから、感謝しようではありませんか。」(12:28)と記しています。イエスも言われました。「まことにあなたがたに告げます・・この天地は滅び去ります。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。」(マタイ24:35)と。
- 詩111篇の作者が冒頭で「ハレルヤ。私は心を尽くして感謝しよう。」と述べているのは、こうした揺るぎない、変わらない主の永遠性を見据えていたからです。現代に生きる神の民も、主に対する賛美が「永遠に堅く立てられる」ものとならなければなりません。
- Ps112その他参照