キリストと契約
キリストと契約
●ここでは、2018年10月20日に出版された、
O・パーマー・ロバートソン(O.Palmer Robertson)の
「契約があらわすキリストー聖書契約論入門」から学んだことを要約したいと思います。原著は1980年の出版ですから、邦訳出版されたのは、それから38年後ということになります。
●聖書神学を学ぶ者にとって、聖書の契約を知ることは必須です。私も聖書の究極的テーマが、神と人とが共に住む「家」(「バイト」בַּיִת=エデンの園、幕屋、神殿、教会、御国(メシア王国)、新しいエルサレム)にあると信じて学んで来ましたが、このテーマを支えている聖書の「契約」に関する概説としては、本書ほどによくまとめられたものは、他には見られないと思います。美しく整えられた目次を見るだけでも、聖書にある契約の概念とその歴史的概観が整理されます。
●本書は、大きく三つの柱からなっています。
Ⅱ. 創造の契約とは
Ⅲ. あがないの契約とは
●聖書の契約には、「創造の契約」と「あがないの契約」の二つしかないということです。これまでの契約神学のように、「わざの契約」と「恵みの契約」に区分されていないという点が特徴的です。創造の契約は創世記1~2章に、そしてあがないの契約は、創世記3章からはじまるとしています。堕落してしまった被造物をあがなおうとする神の誓いの文言(14~19節)が、あがないの出発点の根拠となっています。
●契約神学についての考察については、以下のべいりあん(balien)氏のブログを参照。
(1) 「契約神学と聖書的契約」
(2) 「新しい契約神学(NCT)と聖書的契約」
(3) 「漸進的契約主義(PC)と聖書的契約」
(4) 「聖書的契約とは何か?」
(5) 「聖書の物語と契約(1)創造から洪水後まで」
(6) 「聖書の物語と契約(2)アブラハム契約とモーセ契約」
(7) 「聖書の物語と契約(3)ダビデの王国とダビデ契約」
(8) 「聖書の物語と契約(4)王国の滅亡と契約に基づく希望」
(9) 「聖書の物語と契約(5)主の日・契約の成就・被造世界の回復」
(10)「聖書の物語と契約(6)イザヤ書と永遠の契約の希望」
(11)「聖書の物語と契約(7)エレミヤ書と新しい契約の希望①」
(12)「聖書の物語と契約(8)エレミヤ書と新しい契約の希望②」
(13)「聖書の物語と契約(9)エゼキエル書と新しい契約の祝福」
(14)「聖書の物語と契約(10)メシアの誕生と諸契約の成就」
(15)「聖書の物語と契約(11)神の国は近づいた」
(16)「聖書の物語と契約(12)メシアとイザヤ書61章」
(17)「聖書の物語と契約(13)すべての成就をもたらすメシア」
(18)「聖書の物語と契約(14)契約違反としてのメシア拒否」
2019.7.1
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