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神の慰めとしての「力」(2)

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104. 神の慰めとしての「力」(2)

【聖書箇所】 イザヤ書40章31節

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【読み】
ヴェコーヴ アドナーイ ヴァハリーフ ホアッハ ヴァルーエーヴェル カネシャリーム ヤールーツ ヴェロー イーカーウー イェレフー ヴェロー イーアーフ

【文法】
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【翻訳】

【新改訳改訂3】
しかし、【主】を待ち望む者は新しく力を得、鷲のように翼をかって上ることができる。走ってもたゆまず、歩いても疲れない。
【口語訳】
しかし主を待ち望む者は新たなる力を得、わしのように翼をはって、のぼることができる。走っても疲れることなく、歩いても弱ることはない。
【新共同訳】
主に望みをおく人は新たな力を得/鷲のように翼を張って上る。走っても弱ることなく、歩いても疲れない。
【岩波訳】
ヤハウェを待ち望む者たちは、新たに力を得、鷲のように翼を張って舞い上がる。彼らは走っても弱らず、歩いても疲れることもない。
【NKJV】
But those who wait on the Lord Shall renew their strength;They shall mount up with wings like eagles,They shall run and not be weary,They shall walk and not faint.
【NIV】
but those who hope in the LORD / will renew their strength. / They will soar on wings like eagles; / they will run and not grow weary, / they will walk and not be faint.

【瞑想】

イザヤ書40章の最後の節を味わいます。
「若者も疲れ、たゆみ、若い男もつまずき倒れる」(40:30)にもかかわらず、「走ってもたゆまず、歩いても疲れない」(40:31)というのは驚きです。その秘訣はどこにあるのでしょうか。それは「主を待ち望む」ことです。そうすることで力(「コアッハ」כֹּחַ)は刷新され、何度でも更新し、回復されるのです。

「待ち望む」という動詞は「カーヴァー」(קָוָה)です。このことばが持つ意味は、「主を信頼し、期待しながら、主を仰ぎながら、沈黙の中で主の救いを待ち望む」ことです。旧約で47回、詩篇(17回)とイザヤ書(15回)の特愛用語です。

たとえ、貧乏くじを引いたような時にも、つぶやくことなく、静まり、沈黙ながら主の良くしてくださること(主の救い)をひたすら待つ姿勢、これが「カーヴァー」(קָוָה)なのです。そうした信仰の構えを持つ者は必ず「新たな力を得る」のです。「新しく」「新たな」と訳されたヘブル語は形容詞ではなく、動詞の「ハーラフ」(הָלַף)で、この動詞がヒフィール態で使われる場合には、回復する、刷新する、更新するという意味になります。しかも未完了で使われるならば、繰り返し、何度も、元気を回復したり、力を刷新し、更新するという意味で常に「新しい」のです。それによって疲れを知らず、走ったり、歩いたりできるのです。驚きの「力」です。

鷲が風の流れや空気の上昇気流をうまくとらえてその風力によって高く舞うように、主を信じる者たちは、自分の力でなく、人生における様々な向かい風(逆風)を揚力としてうまく利用することで高く空に駆け上がることができます。このように天に駆け上がる力こそ、主を待ち望む者に約束された恵みであり、主の慰めなのです。その「力」は新約的には、聖霊による力と言えます。

バビロンに捕囚となったユダの人々は、その地において、二代三代かけて主を待ち望みました。そして、詩篇1篇にもあるように、昼も夜も主の教え(トーラー)を喜びとし、それを口ずさむ(瞑想する)ようになりました。彼らは「水路のそばに植わった木のように」多くの実を結ぶようになったのです。今日において求められているのは、そうした主を待ち望む「待望力」です。しかしこの「待望力」は主への信頼と静まりの中でゆっくりと養われると信じます。

「主はいつくしみ深い。主を待ち望むたましいに。主の救いを黙って待つのは良い。」(哀歌3:25, 26) これは「人称なき存在」、すなわち、聖霊の声です。

【付記】
楽譜「ナハムー ナハムー アンミー」

2013.6.2


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