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恩寵用語Ps95

詩95篇「造る」 עָשָׂה アーサー

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5節「海は主のもの。主がそれを造られた。陸地も主の御手が造られた。」
6節「来たれ。・・私たちを造られた方。」

Keyword;「造る」  do, make,

  • ヘブル語では「創造する、造る」ということばにバーラーבָּרָא(bara')があります。創世記の1章1節の「初めに、神が天と地を創造した。」で使われています。バーラーבָּרָא(bara')はほぼ神にしか使われない動詞ですが、「アーサー」は神にも人にも使われる動詞です。詩95篇で使われている三つの「造られた」という動詞はすべてアーサーעָשָׂה(`asah)ですが、ここでは神の創造の行為として使われています。
  • たとえば、「神はお造りになったすべてのものをご覧になった」(創1:31)、「主は天と地を造られた方である」(詩115:1)など。また、私たちに対する様々な行為を現わす動詞、たとえば、「神である主は、アダムとエバ妻のために、皮の衣を作り、彼らに着せてくださった」(創3:21)、「エジプトで大いなることをなさった方」(詩106:21)、「主の右の手は力ある働きをする」(詩118:15~16)、「主はその望むところをことごとく行われる」(詩115:3)などに使われています。
  • このアーサーעָשָׂהが私たちのためになされるとき、それは恩寵用語となります。かつて私はあることで信仰の危機を感じたことがありました。自分の惨めさのゆえに希望を持てないで苦しんでいた時がありました。そんな時、ある歌を歌いながら神の慰めの力を感じたのです。その歌とは以下のように力強い神への告白を歌っているものでした。
  • 主は道を日々造られる  何もないように思えるときでも 
    主は御手で 御許で支え 新しい明日を 主は道を造られる
    天と地が滅び失せても  主のみことば 滅びず
    荒野に道を 砂漠に川を 今日も造られる 

    (Don Moen “God Will Make A Way”)

  • はからずも、この歌詞にも「造られた」ということばがあります。英語でGod will make a wayです。主が造られたのは「荒野における道」「砂漠における川」です。そして今もその神の恩寵の行為は継続しているのです。この歌の出典はおそらくイザヤ書43:19からのもと思われます。「見よ。わたしは新しいことをする(עָשָׂה)。今、それが起ころうとしている。」と宣言されて、「荒野に道を、荒地に川を設ける」と約束されています。
  • 神の恩寵的な創造の行為は、私たちに希望を与えます。それゆえ神を待ち望むことができるのです。詩95篇は礼拝とはいかなることであるかを私たちに教えている詩篇です。そこにある「主が・・を造られた」という宣言は、神が、単に、自然界や私たちを造られたという静的なイメージではなく、常に、私たちとかかわり、みこころを実現させていくところの神の創造的・恩寵的行為をなされる「行動の神」であるとの告白なのです。

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