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あなたの神、主を愛しなさい

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12. あなたの神、主を愛しなさい

【聖書箇所】 申命記6章5節

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【読み】
ヴェアーハヴー エット アドーイ エローヘイハー
ベホル レヴァーヴハー ウーヴェホル フシハー ウーヴェホル メオーデハー

【文法】
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  • 申命記6章5節のフレーズには一つの動詞しかありません。しかもその動詞は文法としては完了形です。4節の動詞が「聞け」という命令形であるゆえに、5節の頭にある接続詞「ヴェ」の後の完了形も4節の命令形が継続するという「ヴァヴ継続法」により、「愛せよ」と訳されます。日本の翻訳はいずれも命令形で訳されています。しかし、KJV訳、およびNKJV訳ではそのまま完了形と理解します。ヘブル語では将来確実にそうなることを完了形で表わすために、「あなたがたは愛するようになる」と訳しています。同じ立場を取る聖書は、ESV訳、NASB訳、RSV訳などがあります。ヘブル語では普通、命令形の「~しなさい」の後に来る「そうすれば」という言葉として、「レマアン」לְמַעַןという語彙が使われます(「レ」לְは接続詞のように見えますが、文法的には前置詞として扱われます)。しかしここでは「レアマン」がないため、命令形ではなく、預言的完了形で「愛するようになる」と訳しているのだと思います。
  • ちなみに、「心を尽くし、精神を尽くして」という慣用句は、申命記では4:29、10:29、11:13、13:3、26:12、30:2, 6, 10の8回です。この慣用句に「力を尽くして」が付加されているのは、他に列王記第二23:25のみです。

【翻訳】

【新改訳改訂3】
心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、【主】を愛しなさい。
【口語訳】
あなたは心をつくし、精神をつくし、力をつくして、あなたの神、主を愛さなければならない。
【新共同訳】
あなたは心を尽くし、魂を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい。
【NKJV】
You shall love the Lord your God with all your heart, with all your soul, and with all your strength.

【瞑想】

主イエス・キリストは律法の精神を「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛すること」だとしています。エレミヤが語った「新しい契約」によれば、「わたしはわたしの律法を彼らの中に置き、彼らの心にこれを書きしるす。わたしは彼らの神となり、彼らはわたしの民となる。そのようにして、人々はもはや、『主を知れ。』と言って、おのおの互いに教えない。それは、彼らがみな、身分の低い者から高い者まで、わたしを知るからだ。-主の御告げーわたしは彼らの咎を赦し、彼らの罪を二度と思い出さないからだ。」(エレミヤ31:33, 34)とあります。

「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛すること」は人間の力によってはなし得ないことを旧約の歴史があかししています。神である主の恩寵によって、主を知るとき、はじめて「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛すること」ができるようになるのだと信じます。その意味では、申命記6章4~5節は、主の預言的命令と理解することがふさわしいと言えます。

ところで、「心を尽くす」「精神を尽くす」とはどういうことなのでしょう。ヘブル語の「心」(「レーヴ」לֵב)は、知性や意志の働きと強くかかわり、むしろ理解力や悟りを意味します。心情的、情緒的なニュアンスの強い日本語の「心」とは少々異なります。日本語の「心」は情緒に重きが置かれますが、ヘブル語の心(「レーヴ」לֵב)は、どちらかといえば、理解力、洞察、悟りといった知性や意志の働きと強くかかわっています。「計画・意図・良心・決断」といった意味が含まれています。ですから、自発性、主体性、自立性といった意味合いが含まれます。「心を尽くす」とは、しなければならないからするといった義務からではなく、自ら進んでするという自発性を意味することばです。

「精神を尽くす」とはどういうことでしょうか。これは原語の「ネフェシュ」ということばをどう理解するかにかかっています。「ネフェシュ」は「霊、息、たましい、いのち、自分自身」とも訳されますが、この語彙の特徴は、目に見えないものすべてを意味することです。「目に見えないもの」とは、愛、誠実、正義、悔い改め、霊的な貧しさ、信頼、・・など。使徒パウロは「目に見えない」ものを「内なる人」と表現しています。したがって、「精神を尽くして愛する」とは、目に見えない精神的、霊的、内的なすべてのものを尽くして、神を愛することなのです。

2013.2.26


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