1. 詩篇の聖書的位置付け
Ⅰ. 序説
前へ| 次へ
1. 詩篇の聖書的位置付け
(1) 旧約聖書の中の位置付け
- 詩篇は旧約聖書の以下の4区分からなる。
①モーセ五書(創世記~申命記)
②歴史書(ヨシュア記~エステル記)
③詩歌書(ヨブ記~雅歌) ④預言書(イザヤ書~マラキ書) の中の第3区分に属している。
(2) 救済史的理解による旧約聖書の構造(順列)
①神の救済計画は、「過去」⇒「現在」⇒「未来」という構造に並べられている。
②詩歌書の著者は、過去における神の救いの歴史を土台とし、未来に望みを置きながら、ある時は信仰と感謝をもって神を賛美し、ある時は不条理や敵の存在に疑いと動揺を抱きつつ嘆きをもって神に訴えながら、それぞれの時点における「現在的応答」をしている意味において、いつの時代においても「現在性」を持っている。つまり歴史における信仰者の断面を見ることが出来る。
③ルカの福音書24章44節では、詩篇を含む詩歌書全体を「詩篇」と表現されている。
a:6600 t:1 y:5