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終わりの日についての幻 (2)幻の解釈〔1〕

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12. 終わりの日についての幻 (2) 幻の解釈〔1〕

【聖書箇所】 11章1節~20節

ベレーシート

  • 11章の幻は実名がなく、すべて人称代名詞、指示代名詞なので、読むだけでは、なにがなんだか分かりません。しかし、預言は必ず実現するわけですから、実際の歴史上に登場した人物の名前を入れて読むと、とても分かりやすくなります。
  • ひとつの時代から次の時代まで、その期間がどれほどであったとしても関係なく、縮約して事柄が並べられています。これはヘブル的表現の特徴です。事象を凝縮し、時を凝縮するという独特な表現法、それが「ヘブル的縮約法」と言われるものです。

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  • 11章の聖書本文実際の人物の名前を入れて読む前に、「北の王」と「南の王」のそれぞれの系図を掲載したいと思います。「北」と「南」の基準は神の民ユダヤ(エルサレム)の位置から見た方角です。「北」は「セレウコス王朝」「南」は「ブトレマイオス王朝」です。

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ダニエル書11章2~20節のテキスト

02 今、私(御使い)は、あなた(ダニエル)に真理を示す。見よ。なお三人の王(①カンビュセス、②スメルディス、③ダリヨス・ヒュスタスペス)がペルシヤに起こり、第四の者(クセルクセス、別名アハシュエロス)は、ほかのだれよりも、はるかに富む者(同前)となる。この者(同前)がその富によって強力になったとき、すべてのものを扇動してギリシヤの国に立ち向かわせる。

03 ひとりの勇敢な王(アレクサンダー大王)が起こり、大きな権力をもって治め、思いのままにふるまう。

04 しかし、彼(同前)が起こったとき、その国は破れ、天の四方に向けて分割される。それは彼(同前)の子孫のものにはならず、また、彼(同前)が支配したほどの権力もなく、彼(同前)の国は根こぎにされて、その子孫以外のものとなる。

05 南の王(エジプトのプトレマイオス1世ソーテール)が強くなる。しかし、その将軍のひとり(セレウコス1世)が彼(プトレマイオス1世ソーテール)よりも強くなり、彼(同前)の権力よりも大きな権力をもって治める。

06 何年かの後、彼ら(プトレマイオス家とセレウコス家)は同盟を結び、和睦をするために南の王(プトレマイオス2世フィラデルフォス)の娘(ベルニケ)が北の王(アンティオコス2世セオス)にとつぐが、彼女(ベレニケ)は勢力をとどめておくことができず、彼(プトレマイオス2世フィラフェルデス)の力もとどまらない。この女(ベレニケ)と、彼女(同前)を連れて来た者(アンティオコス2世セオス)、彼女を生んだ者(プトレマイオス2世フィラフェルデス)、そのころ彼女を力づけた者(アンティオコス2世セオスとの間に生まれた子どもたち)は、死に渡される。

07 しかし、この女(ベレニケ)の根(プトレマイオス2世フィラフェルデス)から一つの芽(プトレマイオス3世エウエルゲテス)が起こって、彼(プトレマイオス2世フィラフェルデス)に代わり、軍隊を率いて北の王のとりでに攻め入ろうとし、これと戦って勝つ。

08 なお、彼(プトレマイオス3世エウエルゲテス)は彼らの神々や彼らの鋳た像、および金銀の尊い器を分捕り品としてエジプトに運び去る。彼(同前)は何年かの間、北の王から遠ざかっている。

09 しかし、北の王(セレウコス2世カリニクス)は南の王の国に侵入し、また、自分の地に帰る。

10 しかし、その息子たち(兄のセレウコス3世と弟のアンティオコス3世)は、戦いをしかけて、強力なおびただしい大軍を集め、進みに進んで押し流して越えて行き、そうしてまた敵のとりでに戦いをしかける。

11 それで、南の王(プトレマイオス4世フィロパトール)は大いに怒り、出て来て、彼(アンティオコス3世)、すなわち北の王と戦う。北の王はおびただしい大軍を起こすが、その大軍は敵(南の王)の手に渡される。

12 その大軍を連れ去ると、南の王(プトレマイオス4世フィロパトール)の心は高ぶり、数万人を倒す。しかし、勝利を得ない。

13 北の王(アンティオコス3世)がまた、初めより大きなおびただしい大軍を起こし、何年かの後、大軍勢と多くの武器をもって必ず攻めて来るからである。

14 そのころ、多くの者が(マケドニア王フィリッポスがアンティオコス3世と同盟を結ぶ)南の王に反抗して立ち上がり、あなたの民の暴徒たち(アンティオコスと同盟を結んだユダヤ人たち)もまた、高ぶってその幻を実現させようとするが、失敗する。

15 しかし、北の王(アンティオコス3世)が来て塁を築き、城壁のある町を攻め取ると、南の軍勢は立ち向かうことができず、精兵たちも対抗する力がない。

16 そのようにして、これを攻めて来る者(アンティオコス3世)は、思うままにふるまう。彼に立ち向かう者はいない。彼は麗しい国(ユダヤ、あるいはイスラエル)にとどまり、彼の手で絶滅しようとする。

17 彼(アンティオコス3世)は自分の国の総力をあげて攻め入ろうと決意し、まず相手(プトレマイオス5世エピファネス)と和睦をし、娘のひとり(クレオパトラー有名なクレオパトラとは別人)を与えて、その国(エジプト)を滅ぼそうとする。しかし、そのことは成功せず、彼のためにもならない。

18 それで、彼(アンティオコス3世)は島々に顔を向けて、その多くを攻め取る。しかし、ひとりの首領(ローマの海軍の将ルキウス・スキピオ)が、彼(アンティオコス3世)にそしりをやめさせるばかりか、かえってそのそしりを彼(同前)の上に返す。

19 それで、彼(アンティオコス3世)は自分の国のとりでに引き返して行くが、つまずき、倒れ、いなくなる。

20 彼(アンティオコス3世)に代わって、ひとりの人(セレウコス4世という説とアンティオコス4世エピファネスという説があります)が起こる。彼(セレウコス4世)は輝かしい国(ユダヤ)に、税を取り立てる者(ヘリオドロス)を行き巡らすが、数日のうちに、怒りにもよらず、戦いにもよらないで、破られる。


 アンティオコス4世エピファネス(B.C.175~164)
20節の「ひとりの人」をアンティオコス4世エピファネスだと強く主張している方がいます。SDAの亀谷純三氏(医者)です。亀谷純三氏の主張の詳細は、『ダニエル書の北の王と南の王』(2008.2.22 自費出版、福音社)をご覧ください。亀谷氏自身がダニエル書の「北の王と南の王」の預言解釈について決定的解釈だと確信して出版されたものです。私の立場とは異なりますが、一読の価値は有り。

歴史的事実としては、アンティオコス4世エピファネスの前にセレウコス4世フィロパトルという王がいます。もしここでの「ひとりの人」がアンティオコス4世エピファネスであるとすれば、セレウコス4世フィロパトルが飛ばされていることになります。20節の「ひとりの人」がセレウコス4世なのか、あるいはアンティオコス4世エピファネスなのか、それによって21節以降の意味するところが全く異なる内容の流れとなってしまうほどに重要なのです。

私の立場としては、20節の「ひとりの人」ととはセレウコス4世のことであり、続く21節の「ひとりの卑劣な者」とはアンティオコス4世エピファネスと理解します。このアンティオコス4世エピファネスこそ、やがて終わりの時に現われる反キリスト(偽メシア)のヒナ型です。アンティオコス4世エピファネスのユダヤ人に対する悪行は、旧約聖書外典、Ⅰマカバイ書に詳しく記されています。


2013.8.28


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