礼拝用語Ps67
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詩67篇「י」で始まる礼拝用語 יָדַע ヤーダ、יָדַהヤーダー、יָרֵא ヤーレー
〔カテゴリーその他〕
- 詩67篇には、神の祝福の目的、あるいはその祝福の結果が記されています。
①神の救いがすべての国々の間に知られる יָדַעため (2節)
②国々の民がこぞって神をほめたたえる יָדַהようになるため (3節)
③国民が喜びも、また、喜び歌うようになるため (4節)
④地の果てが神を恐れるיָרֵאようになるため(7節)
- これらの目的のうち、①②④の三つは、י (ヨード)で始まる三つの動詞(礼拝用語)が使われています。いずれも、י(ヨード)で始まる動詞の中でも代表的な礼拝用語です。ヤーダיָדַע(yada` 956回)、ヤーダーיָדַה(yadah 111回)、ヤーレーיָרֵא(yara'539回)。
- י(ヨード)はヘブル語の最も小さい文字です。主イエスが「まことに、あなたがたに告げます。天地が滅びない限り、律法の中の一点一画でも決してすたれることはありません。全部が成就されます。」(マタイ5章18節)と断言していますが、その中の「一点」とは、この י(ヨード)のことです。
- ヘブル語の礼拝用語を覚えるのに、このように最初の文字を同じくする動詞をグルーピングしてみるのも面白いかもしれません。ちなみに、同じく י(ヨード)で始まる礼拝用語としては、これまで取り上げたものとして以下の動詞があります(いずれも詩篇第一巻) 。
「(神に栄光を) 帰す」ことを意味するヤーハヴיָהַב(yahav, 33回) - 「住む」ことを意味するヤーシャヴיָשַׁב(yashav, 1088回)
「受け継ぐ、所有する」ことを意味するヤーラシュיָרַשׁ(yarash, 232回)
- さて、この詩67篇には「すべての国々」「国々の民がこぞって」「地の国民」「ことごとく」というすべてを網羅する語彙が目立ちます。これは神の末広がりの祝福のダイナミズムです。ちなみに、聖書の中で最初に神に祝福されたのは信仰の父アブラハムでした。神は彼に対して「わたしはあなたを祝福する」と約束されました。その祝福の内容は、子孫繁栄、国土獲得、万民祝福でした。
- 神のアブラハムに対する約束は、彼個人のものだけでなく、人々が「あなたによって祝福される」ということでした。このように、一人の者が受けた祝福は他の人々にそれが分かち与えられ、巡り巡って何倍にもなって最初の所に戻ってきます。帰ってきた祝福は、さらに勢いを増して流れ出します。個人からグローバルに拡大していくーこれが神の祝福の循環です。それゆえ、私たちは神に、あのヤベツの祈り(Ⅰ歴代誌4章9~10節)のように、大胆に、「私を大いに祝福し、私の地境を広げて下さい。」と祈るべきです。なぜなら、私たちは「祝福を受け継ぐために召されたのだから」(Ⅰペテロ3章9節)です。