瞑想Ps59/A
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瞑想Ps59/A
- 詩58篇も詩59篇も、いずれも悪の問題に対して、神の正しいさばきがなされることを切願しています。
- 詩59篇を見てみましょう。3節を見ると、ここにも「力ある者ども」が作者に襲いかかろうとしています。そして何の罪もない者が不当な仕打ちで苦しんでいることの窮状が反復されて訴えられています(3~4節、6~7節、12節、14~15節)。そして13節では復讐の祈りがなされているのです。
- 作者はこうした状況の中で、神に目を向けています。まず8節「しかし主よ。あなたは、彼らを笑い。すべての国々を、あざけられます。」 神が笑うのは、詩2篇4節にも見られます。「神が笑う」という表現は、人間の思い上がったはかりごとを全く超越する神の尊厳さを示しています。作者はそうした神に目を向けています。その表現が9節と10節にあります。「私の力、あなたを私は、見守ります。神は私のとりでです。私の恵みの神は、私を迎えに来てくださる。神は、私の敵の敗北を見せてくださる。」(新改訳)
- この節を他の訳でも味わってみましょう。
(新共同訳)「わたしの力よ、あなたを見張って待ちます。まことに神はわたしの砦の塔。神は、わたしに慈しみ深く、先立って進まれます。わたしを陥れようとする者を神はわたしに支配させてくださいます。」(LB訳) 「私の力の源、神様を賛美します。 神様は、私の安全な隠れ家ですから。神様は、常に変わらない愛を注ぎ、私を助けに来てくださいます。 また、敵を私の思いどおりにしてくださいます。」
- 「私はあなたを見守ります」「あなたを見張って待ちます」(I will wait for You)が、LB訳ではより積極的に「神様を賛美します」となっています。これは16節で I will sing と繰り返されます。
- 復讐を自分からせず、正しくさばかれる神にゆだねること、そしていつも神に目を向け、神を賛美することによって、悪しき者は自滅し、神による勝利がもたらされるということをこの詩篇は私たちに訴えているように思います。賛美することは戦いにおける最も力強い武器なのです。
- 新約聖書で、使徒パウロがこの悪の問題についてどのように教えているかを引用します。ローマ人への手紙12章19節~21節です。
- 「愛する人たち。自分で復讐してはいけません。神の怒りに任せなさい。それは、こう書いてあるからです。『復讐はわたしのすることである。わたしが報いをする、と主は言われる。』もしあなたの敵が飢えたなら、彼に食べさせなさい。渇いたなら、飲ませなさい。そうすることによって、あなたは彼の頭に燃える炭火を積むことになるのです。悪に負けてはいけません。
かえって、善をもって悪に打ち勝ちなさい。」
- ここには悪に対するより新しい、積極的な関わり方が教えられています。これはまさに主イエスがなされたことでした。私たちも主に倣う者となりたいものです。