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想定外の事態に苦しむサラ

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14. 想定外の事態に苦しむサラ

【聖書箇所】 創世記 16章

はじめに

  • 創世記16章において、多くの動詞が使われていますが、その中でただ一つ、「強意形」(ピエル態)の動詞があります。それは、6節の「サライが彼女をいじめた」の「いじめた」(新改訳)、新共同訳では「つらく当たる」と訳されている「アーナー」עָנָהという動詞です。ここでは虐待するという意味です。この虐待に耐え切れずに、女奴隷ハガイは逃げ出してしまったのです。サライの新たな一面を見る思いですが、そもそもこのような事態を引き起こしたのは、サライ自身の良かれと思ってしたことが発端でした。

1. サライの想定

  • 当初のサライの想定では、「わたしは彼女(ハガル)によって、子どもを与えられるかもしれません。」(16:6)ということでした。ヘブル語直訳では「私は彼女によって建てられるでしょう。」(「バーナー」בָּנָהの受動態)となっています。そしてハガルは妊娠しました。

2. サライの想定外の出来事

  • ところが、想定外のことが起こりました。サライにとっても初めての経験だったと思います。女ハガルは自分が妊娠したことで女主人を見下げるようになったのです。「見下げる」という動詞は「カーラル」קָלַלです。「軽く見る、軽んじる、呪う」という意味です。ヘブル語直訳では「彼女の目に軽くなった、軽く見るようになった」となっています。
  • ちなみに、「軽く見る、見下げる」という「カーラル」קָלַלは、創世記で6回使われていますが、12:3ではアブラムに対して主が「あなたをのろう者をわたしはのろう」と語られましたが、正しくは「あなたを軽んじる (קָלַל)者をわたしはのろう (אָרַר)」という意味です。出22:24では、神や神が立てた上に立つ者を「カーラル」する者を神が呪うことを警告しています。
  • それはサライにとって「横柄さ、不当な目、被害」(ここのヘブル語では暴力、暴虐、残忍さ、不正を意味する「ハーマース」הָמָסが使われています)と感じました。そしてとても耐え切れないものとなり、それがハガルへの虐待につながります。そしてサライの「虐待する」ことの方がまさってしまい、ハガルは逃げ出してしまったのです。

画像の説明

  • 16章の教訓は、自分が良かれと思ってしたことが、自分の想定外の問題を引き起こしてしまうことを物語っています。しかもそれは人間の最も醜い面を表出する事態となってしまったのです。こうした事態においての、主の不在は十分に説明がつきます。ハガルからイシュマエルが生まれて12歳になるまで、つまり、成人となるまでは、主の臨在も語りかけもアブラムとサライの夫婦に一切なかったのです。とても心重い13年間を過ごすこととなったのです。

2011.9.2


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