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主の安息日の真意

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レビ記は、「キリストの十字架の血による贖いの神秘」を学ぶ最高のテキストです。

21. 主の安息日の真意

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ベレーシート

  • レビ記23章は主の例祭(岩波訳は「指定祭日」としています)について記されています。主の例祭には神のご計画のマスタープランが啓示されています。普通、主の例祭と言えば、①「過越の祭り」②「種なしパンの祭り」③「初穂の祭り」④「七週の祭り」⑤「ラッパの祭り」⑥「贖罪日」⑦「仮庵の祭り」のことを言うのですが、「主の安息日」がそれらの最初に位置づけられているのは意味があります。それは神のマスタープランが目指す最終目的だからです。
  • ヘブル語の修辞法では、しばしば結論的な事柄が最初に置かれて(啓示されて)います。この修辞法は聖書のある限定された部分に限らず、聖書全体(旧新約聖書)においても然りです。「わたしは、終わりの事を初めから告げ、まだなされていない事を昔から告げ、『わたしのはかりごとは成就し、わたしの望む事をすべて成し遂げる』と言う。」(イザヤ46:10)とあるように、神のご計画における最終目的は創世記1~3章の中に啓示されていると考えられます。
  • レビ記23章では「主の安息日」についての記述は以下のようにわずか1節分(23:3)ですが、「主の安息日」に対する理解は神のご計画の最終目的を理解することにつながるため、創世記2章1~3節に記されている「安息日の制定」の部分も取り上げて瞑想したいと思います。

【新改訳改訂第3版】レビ記23章3節
六日間は仕事をしてもよい。しかし七日目は全き休みの安息、聖なる会合の日である。あなたがたは、いっさいの仕事をしてはならない。この日はあなたがたがどこに住んでいても【主】の安息日である。

●「全き休みの安息」
-「シャバット・シャバートーン」(שַׁבַּת שַׁבָּתוֹן)、同じ言葉を重ねることで強調するヘブル語の特有の表現です。
●「聖なる会合」-「ミクラー・コーデシュ」(מִקְרָא־קֹדֶשׁ)。「会合」(ミクラー)は「集会」であり、主の安息日は個人的な日としては見なされていません。安息日はコミュニオン(交わり)の日なのです。


【新改訳改訂第3版】創世記2章1~3節
1 こうして、天と地とそのすべての万象が完成された。
2 神は第七日目に、なさっていたわざの完成を告げられた。すなわち第七日目に、なさっていたすべてのわざを休まれた。
3 神は第七日目を祝福し、この日を聖であるとされた。それは、その日に、神がなさっていたすべての創造のわざを休まれたからである。

●1節の「完成した」の「カーラー」(כָּלָה)と、2節の「休んだ」の「シャーヴァット」(שָׁבַת)とは密接な関係にあります。いずれも意味としては完了形(継続ヴァヴ+未完了)ですが、預言的完了形とも解釈できます。つまり、「すでに、いまだ」の構造が予見されるということです。


※今回の瞑想では、主が制定された「安息日」の第七日目が、今日の土曜日であるか、あるいは日曜日であるか、そのことについてはふれないこととします。

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1. 主の安息日を規定する三つの語彙

  • 創世記2章3節には、安息日の制定における重要な三つのキーワードがあります。それは「祝福した」「聖であるとした」「休んだ」の三つです。

(1) 「祝福した」(「バーラフ」בָּרַךְ)

  • 「主の安息日」は本来、主が人々を祝福する日です。そこには人に対する主の愛の配慮と保護があります。エジプトから救い出されたイスラエルの民は荒野において六日間、目に見える「マナ」を食べましたが、七日目にはマナは降りませんでした。七日目には目に見えない神との交わりという「天からのパン」があるからです。それは私たちを永遠に生かすことのできる天からのパン、すなわちキリストご自身です。
  • イェシュアはサタンに対して「『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる。』と書いてある」と言って、サタンの誘惑を退けましたが、天の御国においては、人は朽ちないからだが与えられるため、目に見えるパン(マナ)は必要ではなくなります。むしろそれに代わって永遠に人を生かす神の口から出ることばによって生きることが定められています。とは言え、回復されたエデンでは食べる楽しみもあるのです(黙示録22:2)。

(2) 「聖別した」(「カーダシュ」קָדַשׁ)

  • 「聖別する」とは、本来、神に属するものとそうでないものとを「取り分ける、区別する」「分離する」という意味です。その目的はより強い神の臨在にふれることと関係しています。エデンの園では常に神との交わりが可能でした。そこではいつも神の臨在にふれていたのです。その「型」であるモーセの幕屋の建造の目的は、主がご自身の民の中に住むことでした(出25:8)。聖所を意味する「ハ・ミシュカーン」(הַמִּשְׁכָּן)は「住む」(「シャーハン」שָׁכַן)から派生した語です。イェシュアは「ふたりでも三人でも、わたしの名において集まる所には、わたしもその中にいる」(マタイ18:20)と約束されました。それはいつでも可能だと思いますが、「安息日」に聖なる会合として集まるところには、主の臨在の特別な現われがあると信じます。神の永遠のご計画では、神と人とが永遠に共に住むという中で、主の臨在(シャハイナ・グローリー)が当たり前になるのです。
  • 十戒の中では「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ」とあります。それは「安息日」を週の中で、特に意識して「区別する」ことを意味しています。それは「覚える」ためです。この「覚える」(「ザーハル」זָכַר)は、「思い起こす」という意味ですが、何を思い起こすのかといえば、それは神の究極の目的を思い起こすのです。それは、イェシュアの十字架によって贖われ、罪を赦されて神の子どもとされたことだけでなく、何のためにそうされたのか、その究極的な目的がすでに聖書の中に示されているのですから、その目的を思い起こすのだと信じます。十字架による「神の恵みの福音」を思い起こすだけでは不十分です。加えて「御国の福音」、つまり神のご計画の究極的なみこころ、御旨、目的を思い起こさなければなりません。それが「安息日」が制定されていることの真意なのだと信じます。

(3) 「休んだ」(「シャーヴァット」שָׁבַת)

  • 神の働きが休むときには、神の十全なる、完全な、永遠のシャーロームがもたらされます。ヘブル語には「休む」という意味を持つ「シャーヴァット」の他に、「ヌーアッハ」(נוּחַ)という語彙があります。この「ヌーアッハ」は単に何もしないでいるということではなく、主とともに、主が置いてくださったところで憩うこと、主が備えて下さった祝福を十全に楽しむことを意味します。
  • この「ヌーアッハ」(נוּחַ)が聖書で最初に使われている箇所は、エデンの園に主が人を「置かれた」という形で使われています。単にある場所に置かれたというだけでは意味がありません。主はそこで人にエデンを耕し、そこを守ることを命じています。特に、エデンの園が回復された後には、そこを「耕す」ということが課題となります。つまり、そのエデンのすばらしさを味わい、楽しみ、喜びをもって主を礼拝することを意味しています。それが「ヌーアッハ」の意味であり、その名詞の「メヌーハー」(מְנוּחָה)も同様の意味となります。詩篇23篇2節「主は私を緑の牧場に伏させ、いこい(「メヌーハー」מְנוּחָה)の水のほとりに伴われます」とダビデは歌いました。「メヌーハー」は「休息」「安息」を意味しますが、それはダビデが永遠の祝福として約束されている主の安息を預言したものと言えます。そこに主が伴われるのです。

2. 創世記2章には主の安息のすべてが啓示されている

  • 創世記2章には神のご計画における回復の全貌を見ることができます。そこにも三つのキーワードがあります。その三つとは「安息日の回復」「エデンの園の回復」「結婚の奥義」です。これら三つは、「主の安息」を制定する三つの要素と同様、相補的な関係にあります。つまり、どこから入っても神の究極的な目的に辿りつくからです。「エデンの園の回復」は空間的視点、「安息日の回復」は時間的視点、そして「結婚の奥義」は関係的視点から神のご計画を啓示しています。

画像の説明

  • 「安息日を覚えて、これを聖なる日とせよ」という主の命令は神のご計画と深いかかわりがあるのです。私たちが主の安息の制定の真意を正しく理解するならば、安息日に集まる「聖なる会合」は大いなる希望と喜びの場となるに違いありません。主の臨在を象徴する栄光の「雲(複数)」が礼拝に集う者たちの中に満ち溢れると信じます。
  • 主の安息日の制定は、エデンの園において(まだ人が罪を犯す前に、まだユダヤ人が存在する前に)、結婚の制度とともに定められました。つまり、全人類のために神が定められたものです。それゆえ、「安息日は人のためにあるのであり、人が安息日のためにあるのではない」のです。これら三つの回復こそ、イェシュアがこの世に来られて宣べ伝えられた「御国の福音」と言えないでしょうか。
    「人の子は安息日にも主です。」(マルコ2:28)

2016.6.18


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