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ヘブル的視点から見る「八日目」(週の初めの日)の意義

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4. ヘブル的視点から見る「八日目」(週の初めの日)の意義

ベレーシート

  • 天地創造の第七日こそ神が制定された「安息日」という主張から第七日に礼拝をしている流れもあれば、週の初めの日こそイェシュアが死から復活されたゆえに「安息日」として礼拝すべきであると主張する流れもあります。この問題をヘブル的視点から見ることにしたいと思います。というのは、イスラエルの例祭、およびいろいろな箇所を通して、「週の初めの日」である「八日目」について記述されているからです。

1. 仮庵の祭りにおける「八日目」が意味すること

【新改訳2017】レビ記23章33~36節
33 【主】はモーセにこう告げられた。
34 「イスラエルの子らに告げよ。この第七の月の十五日には、七日間にわたる【主】の仮庵の祭りが始まる。
35 最初の日には、聖なる会合を開く。あなたがたは、いかなる労働もしてはならない。
36 七日間、あなたがたは食物のささげ物を【主】に献げなければならない。八日目も、あなたがたは聖なる会合を開かなければならない。あなたがたは食物のささげ物を【主】に献げる。これはきよめの集会であり、いかなる労働もしてはならない。

  • 仮庵の祭りは七日間続きます。八日目も同じく休みの日ですが、ヨハネの福音書7章37節では「祭りの終わりの大いなる日」と呼ばれています。そのように呼ばれるにはそれなりの理由があります。というのは、「八(8)」という数は神と人との新しい契約を象徴する意味があるからです。

2. 仮庵の祭りを行ったネヘミヤ

【新改訳2017】ネヘミヤ記 8章14~18節
14 そして彼らは、【主】がモーセを通して命じた律法に次のように書かれているのを見出した。すなわち、「イスラエルの子らは第七の月の祭りの間、仮庵の中に住まなければならない。
15 また、『山へ出て行き、オリーブの葉、野生のオリーブの木の葉、ミルトスの葉、なつめ椰子の葉、また茂った枝木などの枝を取って来て、書かれているとおりに仮庵を作るように』と、自分たちのすべての町とエルサレムに通達を出して、知らせなければならない」とあった。
16 そこで民は出て行き、枝を取って来て、それぞれ自分の家の屋根の上や庭の中、また神の宮の庭、水の門の広場、エフライムの門の広場に、自分たちのために仮庵を作った。
17 捕囚から帰って来た全会衆は仮庵を作り、その仮庵に住んだ。ヌンの子ヨシュアの時代から今日まで、イスラエルの子らはこのようにしていなかったので、それは非常に大きな喜びであった。
18 神のみおしえの書は、最初の日から最後の日まで毎日朗読された。祭りは七日間祝われ、八日目には定めにしたがって、きよめの集会が行われた。


  • メシア王国は「千年」という限定つきのメシアによる支配ですが、仮庵の祭りが七日間で終わるのではなく、八日目も聖なる日として祝うのは、八日目がメシア王国の後に来る完全な永遠の御国を啓示しているからです。ヘブル人への手紙の著者は11章1節で、信仰の定義を次のように記しています。

信仰とは、望んでいることを保証する(確信させる)もの(1節前半)
信仰とは、目に見えないもの(事実)を確信(確認)させるもの(1節後半)

  • このようなことから、「仮庵の祭りの終わりの大いなる日」である「八日目」を聖なる日として特別に祝うことはとても意味あることなのです。

3. 祭司の務めの執行の日としての八日目

  • レビ記9章によれば、大祭司と祭司たちの任職のための聖別期間(七日間)が終わって、八日目に定められたとおりにその職務が執行された後で、主の栄光が民全体に現われました。そのことが9章23~24節に記されています。そのことによって「主の栄光が民全体に現れ、火が主の前から出て来て、祭壇の上の全焼のささげ物と脂肪を焼き尽くし」ました(9:23~24)。しかも、この天からの火によって祭壇の火はたえず燃え続けている必要があったのです(6:9, 12, 13)。それによれば、「祭壇の火」は主の御前から出たことが分かります。

4. 「初穂の祭り」は週の初め

  • 「過越の祭り」の後の安息日の翌日は「初穂の祭り」で、それから七週(7×7=49日)、すなわち、「過越の祭り」から50日目には「五旬節の祭り」という主の例祭があります。これも「八日目」に通じる象徴的な位置づけにあります。つまり、五旬節(ペンテコステの日)に天からの火である聖霊が注がれたという出来事の型が、レビ記8~9章にあると考えることができるのです。まさに、「八日目」は新しい週の一日目であり、ここにはよみがえりの型があります。イスラエルの主の祭りにおいて八日目に行なわれた祭りは、「初穂の祭り」と「仮庵の祭り」でした(レビ23:36, 39, 民29:35)。特別に、「仮庵の祭り」はやがて地上に現わされる栄光に満ちた「千年王国」の型と見ることができます。

5. 割礼の規定

  • イスラエルの民が新しく誕生した男子に神の民としての契約のしるしである「割礼」を施したのは、生後八日目でした。真の割礼とは「肉のからだを脱ぎ捨てる」ことを意味します(コロサイ2:11~13)。これも明らかによみがえりをもたらすものの型です。神の創造は六日間で終わり、七日目には創造のわざを休まれました。しかし第八日目があるのです。「八(8)」は「御国」が完全に実現する「救い」とイェシュアがメシアであることを象徴する数であり、神の新しい創造を象徴する数でもあるのです。

6. ハヌカの祭りにおける八日目

  • 神殿には金で出来た七つの枝を持った燭台「メノーラー」(מְנוֹרָה)が置かれていますが、「ハヌカの祭り」で用いられる燭台は九つの枝で出来た「ハヌキヤー」と呼ばれる燭台で、ハヌカの祭りにしか使われない、いわば期間限定使用の燭台なのです。9本ある蝋燭のうち、8本は正規の蝋燭ですが、あとの1本は火種としての蝋燭です。八日間にわたる祭りにおいて第一日目は1本、第二日目は2本・・と、日を追うごとに蝋燭に灯される蝋燭の火の数で明るさは増し、祭りの最終日にはすべての蝋燭が灯されることになります。このことを別の視点から見るならば、「ハヌキヤー」は、奥義としての神のご計画の悟りが、終わりの日が近づくにつれて、時の経過と共に光の量が増し加えられて開示され、やがて八日目には、神のご計画の全体が完成するという預言的なしるしとしての燭台とも言えます。そのようにこの祭りを理解するならば、この時期に静まって瞑想することはきわめて意義のあることだと考えます。

7. その他

  • 聖書には「七日間」という語彙がしばしば登場しています(69回)。これは神が定められた厳粛な聖別の期間と言えます。そして次に留意すべきことは、「七日間」の後には必ず「八日目」があるということです。
  • 創造のわざは御子イェシュアに託されました。
    【御父と御子の天における会話】
    「お父さん。分かりました。すでに設計図と施工の手順は頭の中に入りました。六日で造るのですね。七日目は創造の業は休んで、真の完成は八日目ですね。」
  • そのほかにも、以下のように「八」(8)という数字は意味を持っています。

① ノアの洪水後、8人の家族が新しい時代を担う者となった(Ⅰペテロ3:20)。
② メシア・イェシュアの先祖であるダビデ王は、エッサイの8番目の息子であった(Ⅰサム17:12)。
③ イェシュアはエルサレム入場後、8日目の日曜日に復活された(ルカ24:1)。
④ 復活後の8日目に、トマスはイェシュアを「私の主、私の神」と告白した (ヨハネ19:26)。
⑤ 「8」という数字はイェシュアを象徴する数で、ギリシア語の「イエスース」のゲマトリアは888。
⑥ 「私たちの救いの神」を意味するヘブル語の「イシュアット・エローヒームヌー」のゲマトリアも888。
⑦ 「8」は2の3乗(2×2×2=8)。これは一辺の長さを2とする立方体の体積と等しい数で、その立方体は「新しいエルサレム」を象徴しています。


ベアハリート

  • 以上の考察を通して、メシア的視点から見る「安息日」の問題に対して、以下の使徒パウロの指針に従いたいと思います。

【新改訳2017】ローマ人への手紙 14章5~6節
5 ある日を別の日よりも大事だと考える人もいれば、どの日も大事だと考える人もいます。それぞれ自分の心の中で確信を持ちなさい。
6 特定の日を尊ぶ人は、主のために尊んでいます。・・・・

  • 互いにさばきあうことなく、主のために、それぞれ自分の心の中で確信を持って歩むことが大切なのだと考えます。



2016.10.21


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