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ツロの王に対する哀歌

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28. ツロの王に対する哀歌

【聖書箇所】 28章1節~26節

 ベレーシート 

  • エゼキエル書の26章ではツロの町の崩壊の預言、27章の豪華商船にたとえられたツロ号の難破、そして28章ではツロの君主(「ナーギール」נָגִיר)である王の破局が預言されています。エゼキエルの時代、ツロは商業的繁栄の絶頂にあり、国際的にも非常に重要な地位を占めていました。そのツロの君主の政治的判断の賢明さは卓越したと言えます。
  • ちなみに、「君主」と訳されている「ナギール」(נָגִיר)は、イスラエルの最初の王となったサウルに対して初めて使われた言葉です(Ⅰサム9:16、10:1など)。主もダビデ自身も「王」(「メレフ」מֶלֶךְ)ということばではなく、「君主」ということばを使っています(Ⅱサムエル6:21/7:8)。しかし、「君主」も「王」もほとんど同義のように思われます。
  • ツロは旧約聖書の預言の中で何度も言及されています。
    例; イザヤ書23章1~8節、エレミヤ書25章22節、27章3節、47章4節、ホセア書9章13節、ヨエル書3章4節、アモス1章9~10節、ゼカリヤ書9章2~4節。

1. 君主に擬人化されたツロの商業都市国家

  • ツロの王の破局の真の原因が28章において記されています。バビロン、エジプト、ペルシャなど、国の王の名前は聖書の中に記されていますが、不思議なことに、ツロの君主の名前が記されていません。ツロという繁栄した商業都市の魂の化身として、その誇りを「ツロの君主」と擬人化しながら、「私は神だ」(「エール・アーニー」אֵל אָנִי)と比喩的に表現しているのかもしれません。擬人化された「ツロの君主」だとしても、その知恵と政治的能力は、ツロを並々ならぬ繁栄に導きました。商売上の抜け目なさにより、ツロの君主は莫大な財宝と富を築き上げました。君主の心はその財宝と富によって高ぶったのです。

2. イザヤ書14章との比較

  • ツロの君主とイザヤ書14章12~20節にある「明けの明星」(ルシファー)との関連で、両者とも神の敵であるサタンを表わすものであるという見解があります。とすれば、これらの箇所はサタンの起源と堕落についての啓示となります。いずれも共通している点は「高ぶり」です。最終的なさばきはまだ先の事ですが、その運命はすでに予告されています。

ツロの君主

全きものの典型、知恵に満ち、美の極みであった。

神の園、エデンの喜びを味わった者。

自分の心を神の心のようにみなした。そのために、王たちの前でみせものとされ、火で焼き尽くされた。

バビロンの王

暁の子、明けの明星。国々を打ち破った者。

神の星々のはるか上に自分の王座を設けようとした。

心の中でいと高き方のようになろうとした。そのために、よみ(穴の底)に落とされた。


3. シドンについての預言

  • ツロに比べて、シドンについて言及されているのはわずか4節だけです(28:20~23)。シドンはアシェル部族に割り当てられた地域でしたが、実際には占領されることがなかったようです(士師1:31)。主はシドンに対してもさばきがなされますが、同時に、「おまえのうちでわたしの栄光を現わす」と語っている点は特異な点です。

4. イスラエルの回復の預言

28:24 イスラエルの家にとって、突き刺すいばらも、その回りから彼らに痛みを与え、侮るとげもなくなるとき、彼らは、わたしが神、主であることを知ろう。
28:25 神である主はこう仰せられる。わたしがイスラエルの家を、散らされていた国々の民の中から集めるとき、わたしは諸国の民の目の前で、わたしの聖なることを示そう。彼らは、わたしがわたしのしもべヤコブに与えた土地に住みつこう。
28:26 彼らはそこに安らかに住み、家々を建て、ぶどう畑を作る。彼らは安らかにそこに住みつこう。回りで彼らを侮るすべての者にわたしがさばきを下すとき、彼らは、わたしが彼らの神、【主】であることを知ろう。」

  • ここで語られているイスラエルの回復の預言は、ゼルバベルのもとで実現したバビロンの捕囚からの帰還のことではないはずです。この預言はキリスト再臨の時に散らされたイスラエルの民の残りの者たちが、最終的に再び集められることを預言しています。

2013.6.19


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