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エゼキエルの召命 (1)

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3. エゼキエルの召命 (1)

【聖書箇所】 2章1節~3章3節

ベレーシート

  • 1章でエゼキエルは圧倒的な主の栄光の幻を見ました。サファィヤの王座の栄光の中から、こんどは主の御声を聞いたのです。それがエゼキエルへの召命の言葉でした。

画像の説明

1. エゼキエルの召命の特異性

  • エゼキエルの召命は、自分の前に置かれた「巻き物」を食べること、そしてそれで腹を満たしてから、イスラエルの民のところに行って、告げるというものです。特に、エゼキエルの場合の特異性は「巻き物を食べ、それで腹を満たす」ということです。これは他の預言者の召命にはない特異な点です。
  • 同じ預言者でも、イザヤやエレミヤの場合は、主が彼らの口に触れて語るべきことばを与えましたが、エゼキエルの場合には、彼の口に巻き物を食べさせることでした。どのように違うのでしょうか。「巻き物」とはトーラーのことです。昔は羊皮紙に神のことばを書き記しました。ですから、それは巻き物として保存されたのです。エゼキエルはすでに捕囚となった人々―「反逆の家」-に対して、神のことばを語り、そして神の民を再度、神のトーラーによって神の民として回復させるために立たせられた預言者でした。捕囚は神に反逆した罪の結果ですが、神はその捕囚を神の民として回復させるための新しい整えの時とされたのです。ですから、エレミヤはすでに第一回の捕囚(B.C.597)でバビロンに連行された人々に宛てた手紙の中で次のように語っています。

「エルサレムからバビロンへわたしが引いて行かせたすべての捕囚の民に。家を建てて住みつき、畑を作って、その実を食べよ。妻をめとって、息子、娘を生み、あなたがたの息子には妻をめとり、娘には、夫を与えて、息子、娘を生ませ、そこでふえよ。減ってはならない。わたしがあなたがたを引いて行ったその町の繁栄を求め、そのために祈れ。そこの繁栄は、あなたがたの繁栄につながるのだから。」(29:4~7)

  • なぜ、イスラエルの民がバビロンの繁栄のために祈るのか。それは彼らが神の民としてリセットされるための十分な時間が必要だったからです。国の安定がなければ、落ち着いて、静まって、神のトーラーを学ぶことができないためです。ここには神のすばらしい計らい(「ミシュパート」מִשְׁפָּט)があります。
  • 預言者として立てられたエゼキエルが神のトーラーを「食べる」こと、すなわち、それは神のトーラーを自分のものとして吸収し、十分に理解し、それを生活化することです。それはこれからバビロンにおいて、神の民が二代・三世代をかけて回復していくためにどうしても必要なプロセスでした。その意味ではエゼキエルは象徴的存在であったと言えます。

2. 蜜のように甘い神のトーラー 

  • 「そこで、私が口をあけると、その方は私に巻き物を食べさせ、そして仰せられ。『人の子よ。わたしがあなたに与えるこの巻き物で腹ごしらえをし、あなたの腹を満たせ。』そこで、私はそれを食べた。すると、それは私の口の中で蜜のように甘かった。」(エゼキエル3:2~3)
  • 神のトーラーが「蜜のように甘い」という表現はどういうことでしょう。エゼキエルは今日の言葉でいうならば、「みことばのグルメ」的存在と言えるかもしれません。「グルメ」とは食通であり、人並みはずれて美食をどこまでも追求する人のことを言いますが、詩篇の作者の場合はどこまでもみことばのすばらしさを追求する人と言えます。誰でも「グルメ」にはなれないように、神のトーラーを「甘い」「美味しい」と感じるにはそれなりの特別な能力と訓練が必要です。
  • 今はグルメ流行です。彼らの存在によってどこにどんな美味しい店があるか、どんな料理があるかが、いろいろな情報誌を通して知ることができます。彼らは単に味わう舌が肥えているだけでなく、食に関するありとあらゆる知識を持っています。そしてグルメ道を究めるために、彼らは毎日そのことについて学び、実際に食しながら多くの経験を積んでいるとも言われます。
  • グルメたちの情報によって多くの人たちが美味しい料理を味わうことができるように、「みことばのグルメ」たちによって多くの人たちがみことばのすばらしいさを味わうことができるはずです。そのような「みことばのグルメ」たちの存在は、神のみことばを通して、私たちを楽しませるスイートな世界があることを指し示してくれる水先案内人です。私もそんなひとりになりたいと願いながら、日々、みことばを学び、瞑想を続けていますが、それは働き以上に難しいものです。静まって神のことばを味わうことよりも、神のために何らかの働きをする方がむしろ容易で、しかも楽しいのです。しかしそれは人々を神のみことばに根づかせることにはならないと思うのです。

2013.4.27


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