μυστήριον
エペソ書の瞑想の目次
エペソ書の重要語彙のリスト
μυστήριον 奥義
- 「奥義」と訳される「ミュステーリオン」μυστήριον は、新約聖書で28回、共観福音書にはそれぞれ1回ずつと、黙示録の4回を除く20回をパウロが使用しており、いわばパウロの特愛用語と言えます。エペソ書では以下のように6回使われています。
1:9
みこころの奥義μυστήριον を私たちに知らせてくださいました。それは、この方にあって神があらかじめお立てになったみむねによることであり、
3:3
先に簡単に書いたとおり、この奥義μυστήριον は、啓示によって私に知らされたのです。
3:4
それを読めば、私がキリストの奥義μυστήριον をどう理解しているかがよくわかるはずです。
3:5
(この奥義は)、今は、御霊によって、キリストの聖なる使徒たちと預言者たちに啓示されていますが、前の時代には、今と同じようには人々に知らされていませんでした。
3:6
(その奥義とは)、福音により、キリスト・イエスにあって、異邦人もまた共同の相続者となり、ともに一つのからだに連なり、ともに約束にあずかる者となるということです。
3:9
また、万物を創造した神のうちに世々隠されていた奥義μυστήριον の実現が何であるかを、明らかにするためです。
5:32
「この奥義μυστήριον は偉大です。私は、キリストと教会とをさして言っているのです。」
6:19
「また、私が口を開くとき、語るべきことばが与えられ、福音の奥義μυστήριον を大胆に知らせることができるように私のためにも祈ってください。」
- 「ミュステーリオン」とは、これまで隠されていたことが、今や福音の中に明らかに示され、やがて完成する神の救いの計画のことを意味します。
- 新約では「神の国の奥義」、「神の奥義」、「キリストの奥義」、「信仰の奥義」、「敬虔の奥義」という表現で使われています。
- 「神の国の奥義」(天の御国の奥義)は、イエスの弟子たちにしか悟ることが許されていません。他の者にはすべてがたとえで語られます。それはシークレット(secret)で、聞いても悟ることのないためです(マタイ13:11、マルコ4:11、ルカ8:10)。
- 「神の奥義」、および「キリストの奥義」は、神の計画における逆説的な知恵におけるミステリー(mystery)です。それは、神の救済が異邦人にも及ぶようになる計画で、やがてはユダヤ人も異邦人も共同相続人となるというものです。奥義の中心は「キリスト」です。
a:3743 t:17 y:4