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2章19~20節「人がそれを何と呼ぶかをご覧になるため」


創世記2章19~20節

【新改訳2017】

19 神である【主】は、その土地の土で、あらゆる野の獣と
あらゆる空の鳥を形造って、人のところに連れて来られた。
人がそれを何と呼ぶかをご覧になるためであった。
人がそれを呼ぶと、何であれ、それがその生き物の名となった。
20 人はすべての家畜、空の鳥、すべての野の獣に名をつけた。
しかし、アダムには、ふさわしい助け手が見つからなかった。

【聖書協会共同訳】

19 神である主は、あらゆる野の獣、あらゆる空の鳥を土で形づくり、人のところへ連れて来られた。人がそれぞれをどのように名付けるか見るためであった。人が生き物それぞれに名を付けると、それがすべての生き物の名となった。
20 人はあらゆる家畜、空の鳥、あらゆる野の獣に名を付けた。
しかし、自分にふさわしい助け手は見つけることができなかった。

יט וַיִּצֶר יְהוָה אֱלֹהִים מִן־הָאֲדָמָה כָּל־חַיַּת הַשָּׂדֶה
וְאֵת כָּל־עֹוף הַשָּׁמַיִם וַיָּבֵא אֶל־הָאָדָם לִרְאֹות מַה־יִּקְרָא־לֹו
וְכֹל אֲשֶׁר יִקְרָא־לֹו הָאָדָם נֶפֶשׁ חַיָּה הוּא שְׁמֹו׃
כ וַיִּקְרָא הָאָדָם שֵׁמֹות לְכָל־הַבְּהֵמָה וּלְעֹוף הַשָּׁמַיִם וּלְכֹל חַיַּת הַשָּׂדֶה וּלְאָדָם לֹא־מָצָא עֵזֶר כְּנֶגְדֹּו׃

べレーシート

●19節で初めて登場する語彙は「連れて来られた」と訳された「ボー」(בּוֹא)のヒフィル態のみです。20節では「見つける 」(「マーツァー」מָצָא)が否定辞(לֹא)を伴って使われています。

1. 神が「連れて来られた」とは

●「連れて来られた」のは、人と同じ「土」(「ハーアダーマ―」הָאֲדָמָה)から形造られた「あらゆる野の獣、あらゆる空の鳥」のことで、神がそれらを「人のところに」連れて来られたのです。神である主がいつ「あらゆる野の獣、あらゆる空の鳥」を形造られたのかはわかりません。2章は「人」が中心となっているため、それに関係することだけが取り上げられています。神がそれらを人のところに連れて来られたその目的は、「人がそれを何と呼ぶかをご覧になるため」でした。「ご覧になる」と訳された「ラーアー」(רָאָה)には「知る」ことと同義です。「名をつける」とはどういうことでしょうか。

2. 「名づける」とは

●「名づける」とは「名を呼ぶ」ということです。聖書では使われませんが、「命名する」ことです。すでに創世記1章では神が「光を昼と名づけ、闇を夜と名づけられた」とあります。この「名づける」と訳された語彙は「カーラー」(קָרָא)ですが(1:5)、8節では「大空を天と名づけられた」、10節では「乾いた所を地と名づけ」、「水の集まった所を海と名づけられた」とあります(共同訳はすべて「呼んだ」と訳しています)。しかし、2章では、神が人に「あらゆる野の獣、あらゆる空の鳥を名づける」ようにされたのです。

●「名づける」(「カーラー」קָרָא)とはある存在を固有名詞で呼ぶことを意味します。つまり、固有名詞で呼ぶことは、他の存在と区別されたものであることを意味します。「人がそれを呼ぶと、何であれ、それがその生き物の名となった」ということは、人が生き物を観察し、その本質、特性、性質、役割などを見定めて定義づけたことを意味します。

3. 「見つからなかった」とは

●「名づける」行為には、支配するという意味合いがありますが、ここでは自分と向き合う存在として「出会う」という意味で使われています。「見つける」は「マーツァー」(מָצָא)で、「見つかる、会う、出会う」とも訳されます。ですから、「名づける」(「カーラー」קָרָא)と「マーツァー」(מָצָא)とは似た意味をもっているのですが、人はそのような存在を生き物の中に見つけることができませんでした(20節)。それゆえ、神である主は人を眠らせて、そのあばら骨から「女」を造り上げて、再度、人のところに「連れて来られた」のです。そのプロセスを記しているのか、21~22節です。


2020.5.4
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