詩篇の賛美は湧き立つことばで溢れている
35. 詩篇の賛美は湧き立つことばで溢れている
- 「ジャジャジャ・ジャーン! ジャジャジャ・ジャーーン!!」 What is this ? これはベートーヴェンの交響曲第5番「運命」の第一楽章の主題(テーマ)です。この主題が縦横無尽に展開されていくさまは実に圧巻です。あふれ出る情熱、わき立つような興奮、その説得力に満ちた表現力は聴く者を圧倒します。多くの芸術家たちの霊感(ひらめき)の陰には、常日頃からの多くの備えがあると言われています。そしてあるとき、それがインスピレーションによって独創的なものとして生まれるのです。
- たとえば、詩45篇の作者はその1節でこう述べています。「私の心はすばらしいことばでわき立っている。」と。1節の「わき立っている」という言葉は、聖書でここにだけに出てくることばですが、それは、「あふれる」「動きが止らない」「沸騰している」という意味です。しかしもしそれが混沌としたまま、整理されないまま口から出てきたとしたら、だれにも理解できないでしょう。わき立つことばが整理され、吟味され、選択されることが必要となります。NKJV訳では、心にあふれることばが、with a good theme と訳されています。つまり、「ひとつのすばらしい主題をもって」あふれてくるということです。
- 語られる賛美の内容が、ひとつの主題を持ち、脈絡のあることばとして心にあふれ出てくるのです。縦横無尽のように出てくるように見えても、その背後には、日頃から豊かに蓄え備えている賛美の素材があるです。そうした蓄えや備えによって、やがて「ジャジャジャ・ジャーン!」と口から出てくるかもしれません。私たちの神への祈り、神への賛美もそうしたわき立つことばで満ちているなら・・・と思います。