****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

神は仰せられた

文字サイズ:

63. 神は仰せられた / 定型句「ヴァヨーメル エローヒーム」

【聖書箇所】 創世記1章3節

画像の説明


【読み】
ヴァーメル エローーム イェーオール ヴァイェー オール

【文法】
画像の説明

画像の説明

【翻訳】

【新改訳改訂3】
神は仰せられた。「光があれ。」すると光があった。
【新改訳第二版】
そのとき、神が「光よ。あれ。」と仰せられた。すると光ができた。
【口語訳】
神は「光あれ」と言われた。すると光があった。
【新共同訳】
神は言われた。「光あれ。」こうして、光があった。
【岩波訳】
神は言った、「光あれ」。すると光があった。
【関根訳】
神が、「光あれよ」と言われると、光が出来た。
【フランシスコ会訳】
神が、「光あれ」と言われると、光があった。
【NKJV】
Then God said, "Let there be light"; and there was light.

【瞑想】

画像の説明

「ヴァヨーメル エローヒーム」は定型句です。創世記1章にはこの定型句が9回登場します。その後に来る神のことばの最初の言葉を列記してみます。

(1)3節「あれ」=「イェヒー」יְהִי (光が)
―指示形(=未完了形と同形)・パエル態(基本)/ 「ハーヤー」הָיָה/
(2)6節「あれ」=「イェヒー」יְהִי (大空が)―指示形・パエル態(基本形) / 「ハーヤー」הָיָה/
(3)9節「集まれ」=「イッカーヴ―」יִקָּווּ (水が)
―指示形・ニファル態(受動態) / 「カーヴァー」קָוָה/
(4)11節「芽生えよ」=「タドーシェー」תַּדֹשְׁא(地は)
―指示形・ヒフィール態(使役態) / 「ダーシャー」דָּשָׁא/
(5)14節「あれ」=「イェヒー」יְהִי (光る物が)
ー指示形・パエル態(基本) / 「ハーヤー」הָיָה/
(6)20節「群がれ」=「イシュレツー」יִשְׁרְצוּ (水は)
―指示形・パエル態(基本)/「シャーラツ」שָׁרַץ/
(7)24節「生じさせよ」=「トーツェー」תּוֹצֵא (地は)
―指示形・ヒフィール態(使役態)/「ヤーツァー」יָצָא/
(8)26節「造ろう」=「ナアセー」נַעֲשֶׂה(私たちは)
ー未完了・パエル態(基本)/「アーサー」עָשָׂה/
(9)29節「見よ」=「ヒンネー」הִנֵּה/
ー感嘆詞


動詞の頻度数.PNG

聖書の神は「語る神」です。神と対比される偶像の特徴を聖書は次のように表現します。「口があっても語れず・・」と。偶像には確かに口はありますが、語ることができないのです。それが偶像の特徴です。
ちなみに、ヘブル語の動詞の使用頻度の上位六位までを調べると、トップに来るのが、「語る」を意味する「アーマル」אָמַרで5,308回、第二位の「ハーヤー」הָיָהは3,561回、そして第三位の「アーサー」עָשָׂהは2,626回です。上位三位、そして第五位の「ナータン」נָתַןはいずれも創世記1章に登場しています。ちなみに、第四位の「ボー」בּוֹאと第六位の「ハーラフ」הָלַךְは創世記2章から登場します。

神はことばによって光を創造しています。詩篇33篇6節には「主のことばによって、天は造られた。天の万象もすべて、御口のいぶきによって」とあります。「語る神」は宇宙を造り出し、神のトーラー(みおしえ)を与えて人を生かします。また、出来事や事柄の真意を説き明かします。そのことによって、私たちは出来事や事柄の意味を悟ることが出来ます。もし、神が沈黙して何も語ることをしないならば、私たちは闇の中をさまようことになります。人が神のことばを聞くことができなくなるとき、それは神からの刑罰を意味します。その意味で、日々、「人はパンだけで生きるのではない、人は主の口から出るすべてのもので生きる」(申命記8:3)ことを主は願っておられるのです。

イェシュアは「耳のある者は(神のことばを)聞きなさい」と繰り返し繰り返し言われました。なぜなら、詩篇19篇に記されているように、「【主】のみおしえは完全で、たましいを生き返らせ、【主】のあかしは確かで、わきまえのない者を賢くする。【主】の戒めは正しくて、人の心を喜ばせ、【主】の仰せはきよくて、人の目を明るくする。」(19:7~8)からです。

神がことばを語られる時、それは「出来事」となります。創造の神は歴史の中にも働いて「出来事」を引き起こします。何も語られずに行われることはありません。しかも、神がひとたび語られるならば、それは決して空しく響くことなく、必ずや実現されるのです。イザヤ書55章10~11節には こう記されています。

10 雨や雪が天から降ってもとに戻らず、必ず地を潤し、それに物を生えさせ、芽を出させ、種蒔く者には種を与え、食べる者にはパンを与える。
11 そのように、わたしの口から出るわたしのことばも、むなしく、わたしのところに帰っては来ない。必ず、わたしの望む事を成し遂げ、わたしの言い送った事を成功させる。

私たちが信じようと信じまいと、主が語られたことは必ず実現します。歴史の舞台で神にさばかれて滅びた国々は、神がそれ以前に預言し、語ったことが起こったあかしです。

今日、私たちの目にどのように世界が見えようとも、歴史は神が語られた方向へと、神のみことばの通りに進んでいるのです。したがって、私たちは、神の語られたことばを信じて、目を覚ましていることが重要です。


2013.4.18


a:5411 t:1 y:1

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional