神のみことばによる人材教育
本論〔5〕「神の民の再建という新たな課題」(2)
〔聖書箇所〕ネヘミヤ記8章
(2) 神のことばによる人材教育
ネヘミヤはまず神のことばを出発点とした。この目標達成のために、ネヘミヤはエズラを起用した。神のみことばによる神の民の再建はエズラのリーダーシップにゆだねられた。
①みことばを聞く訓練 (聞くことは、従うこと)
- a. 朝から昼まで・・民は起立して律法の朗読を聞いた。(8章1~8節)
- b. エズラをサポートする祭司たちの存在
- c. 神のことばの解き明かしをするレビ人の存在
ⅰ.この時代には祭司やレビ人たちの働きに変化がみられる。
ⅱ.みことばに熟練した働き人の育成(Ⅱテモテ2章15節)・・・良きリーダーはみことばと御霊に満たされた霊的成長、聖書の基本的な教えに通じている知的成長、また品性の実として現われてくる情緒的成長が求められる。- d. みことばの働きに携わる人への尊敬(ガラテヤ6章6節)
②民たちに主を見上げさせ、主を喜ぶことの訓練(8章10節)
「主を喜ぶことはあなたがたの力です」
参考⇒ピリピ書における「喜び」
- a. 環境に支配されない喜び(ピリピ1章)
- b. 人々の存在に支配されない喜び(ピリピ2章)
- c. ものに支配されない喜び(ピリピ3章)
- d. 思い煩いに支配されない喜び(ピリピ4章)
③神との個人的契約を交せる教育・・〔盟約〕(9章~10章39節)
- a. 神との悔い改めの実を結ばせる。8章9節では「みな泣いていた」とある。神のみことばによって自分の罪、汚れを知らされることなしに悔い改めは起こらない。信仰生活における悔い改めの重要性(使徒20章21節)・・・ネヘミヤ9、10章は、神の民の悔い改めの実として盟約を結んだいきさつが記されている。
- b. 盟約とは何か(口語訳聖書では契約となっている)・・・盟約とは、神の契約に対する人間の主体的な、自覚的な、自発的な誓いという面が強調されている。「印を押す」ことによって公の文書とした。新約的に言えば、洗礼を受けることと似ている。
- c. 民をして盟約に至らせたものは何か。・・9章38節「これらすべてのことのゆえに」に関係がある。その前の賛美と祈りは「神が民に対して何をされたか」「神の民が神に対して何をしてきたか」が言及され、その結論は33節「あなたは誠実をもって行なわれたのに、私たちは悪を行なった」という告白により悔い改めて神に立ち帰った。