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詩2篇 「身を避ける」חָסָה ハーサー
〔カテゴリー信頼〕
12節「幸いなことよ。すべて主に身を避ける人は。」
Keyword; 「身を避ける、寄り頼む」2:12/5:11/7:1/11:1/16:1/17:7/18:2,30/25:20/31:1,19/34:8,22/36:7/37:40/57:1, 1/61:4/64:10/71:1/91:4/118:8, 9/141:8/144:2
- 「いかいに幸いなことか。主を避け所とする人はすべて。」(新共同訳)
「すべて主に寄り頼む者は幸いである。」(口語訳)
「すべて彼に依り頼む者に幸あれ。」(関根訳)
「幸いだ。かれのもとに逃れる者たちはみな」(岩波訳)
「しかし、主に信頼する者は、なんと幸いでしょう。」(L.B訳)
put trust in Him / take refuge in Him / seek refuge in Him / find their refuge in Him /
- 以上のように、12節がさまざまな表現で訳されています。大切な点は「身を避ける」ことが単なる逃避ではなく、最も頼りになる方を求めて得ること、あるいは、その方の保護を見出すということです。旧約37回、そのうち詩篇が25回と最も多く、信頼を表わす詩篇特愛の動詞と言えます。
- 「身を避ける」と訳された「ハーサー」(חָסָה)は、他に、「声を上げない」「静まる」「沈黙する」「無言」、といったことばでも訳されています。この詩2篇は、まさに神に対する勢力が「騒ぎ立ち」「空しくつぶやき」「立ち構える」状況に対して、神がご自身の御子によって、彼らを打ち破るという神の救いの計画の全貌が預言的に語られている詩篇です。そうした文脈の中での「身を避ける」とは、いかなる環境や状況に置かれることがあっても、主の信頼によるゆるぐことのない平安、落ち着き、沈黙が与えられることです。
- イエスの弟子たちが舟で向こう岸に渡ろうとしたときに、突然襲った突風で、今にも舟が沈みそうな恐れの中で弟子たちは、主イエスに「なんとも思わないのですか」とその恐れをぶちまけています。しかしそのときイエスはなんと眠っておられました。これは御子イエスが御父に「身を避けて」おられたからです。
- 神の子とされた私たちのこの世の務めは、何よりも主を信頼することです。イエスが「わたしを離れては、あなたがたは何もすることができない」(ヨハネ15:5)と言われたように、「主に身を避ける」ことを学ぶことなしに、私たちがなし得るものは何一つないことを、心に深く刻みつけたいと思います。
- ちなみに、詩1篇2節の「喜び」(חֵפֶץ)と詩2篇12節の「身を避ける」(חָסָה)ことが、詩5篇11節においては、「あなたに身を避ける(חָסָה)者がみな喜び(שָׂמַח)」と密接に結び合わされています。