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目的を表わす接続詞「ヴェ」(そして)」

目的を表わす接続詞「ヴェ」(そして)」

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  • 頻繁に用いられるヘブル語の接続詞「ヴェ」は「そして」を意味する。しかしその「ヴェ」のもう一つの意味は、「・・するために」だと言う。(『主の祈りのユダヤ的背景』の第三部に掲載されている河合一充氏の「ヘブライ語と聖書テキスト」を参照。ミルトス社、1998)
  • そこに記されている事を少し自分なりに整理してノートしてみました。

学者はこれを「目的」あるいは「意図」の「ヴェ」と呼ぶ。聖書ヘブライ語ではよく出てくる。例えば、主がモーセにエジブトパロに言うべきことばを語っている出エジプト記の7章16節にはこう記されている。「わたしの民を行かせ(「ヴェ」)、彼らに、荒野でわたしに仕えさせよ。」(新改訳)と。

ここは「荒野でわたしに仕えさせるために、わたしの民を行かせよ」という意味に解釈するべきである。

  • ヘブル語の「ヴェ」がギリシャ語に訳されると「カイ」καιが使われます。イエスの語ったことばの一つの例として、ルカの福音書16章18節前半の箇所を取り上げると、そこには「だれでも妻を離別して(カイ)他の女と結婚する者は、姦淫を犯す者であり」とあります。ここでの「そして」を意味する「カイ」を、ヘブル語の目的を表わす「ヴェ」として解釈すると次のような意味になります。
    「他の女と結婚するために、妻を離別する者はだれでも、姦淫を犯す者である」と。イエスの時代のパリサイ人は自分に好ましい女性を見つけた場合、妻を離縁できるとしていた。そうした彼らに対してイエスが述べた言葉がルカ16章18節のことばでした。イエスの解釈は、離婚の唯一の条件は不貞を犯した場合のみであって、別の女性と結婚するつもりで妻に離縁状を出すような場合、最初からその離縁状は無効であるという見解が根底にあったようです。
  • したがって離縁された妻が再婚したとしてもそれも無効であり、彼女をめとる者は姦淫関係に入ることになるという意味で、ルカ16章18節後半「また、夫から離別された女と結婚する者も、姦淫を犯す者です。」があります。これは前半をさらに別のことばで表現するパラレリズムでヘブル語の重要な修辞法です。つまり、最初の部分の警告が後半で強調されているのです。このようにイエスの語ったことばにはヘブル的な表現がなされているのです。

2012.5.14


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