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恩寵用語Ps7

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詩7篇 「救う、救い出す」יָשַׁע ヤーシャ נָצַל ナーツァル

〔カテゴリー救出〕  

1節「どうか追い迫るすべての者から、私を救って(יָשַׁע)ください。私を救い出して(נָצַל)ください。
10節「私の盾は神にあり、神は心の直ぐな人を救われる(יָשַׁע)。」

Keyword; 「救う」 deliver, set free, rescue, save 

  • 詩7篇1節には二つの救出用語が登場します。一つは「ヤーシャ」(יָשַׁע)で、旧約では184回、詩篇では57回使われています。二つ目は「ナーツァル」(נָצַל)、旧約では213回、詩篇では45回です。
  • 詩篇1節でダビデは「追い迫るすべての者」の不条理な悪意と差し迫る危険の中で、「私を救って(יָשַׁע)ください。私を救い出して(נָצַל)ください。」と求めています。前者の「ヤーシャ」(יָשַׁע)は「捕えられそうな危険からの救出」でーNIVではほとんどsaveと訳されていますー、後者の「ナーツァル」(נָצַל)は「すでに捕えられている状況からの救出」―rescue, deliverで訳されることが多いーを意味します。いずれにしても、自分の力を超えた存在による救いを求めています。
  • 神に用いられた人々に共通する点は、自分の力でなんとかするという思いがないことです。いつでも、どこでも、どんなときにも、神のみを信頼することを第一とする生き方をした人たち、神を盾とし、神とのかかわりを第一に優先することを選び取った人たちを、詩篇では「心の直ぐな人」(the upright in heart)と表現しています。―7:10/11:2/32:11/33:1/36:10:64:10/94:15/97:11/125:4参照。しかしその実質を豊かにしたのは、なんと彼の「敵」となった存在でした。神は、ご自分を頼りとする者のためには、しばしば「敵」をも利用することのできる方だと言えます。常に、追い迫る敵の存在が背景にあるということです。
  • 救出用語の類義語としては、他に、「パーラト」(פָּלַט)旧約26回、詩篇18回)があります。17:13/18:2, 43/22:4, 8/31:1/37:40, 40/40:17/43:1/56:7/70:5/71:2, 4/82:4 /91:14/144:2 「解き放つ」「助け出す」deliver, rescue, save, という意味。詩篇特愛用語の動詞と言えます。 もう一つは、「ハーラツ」(חָלַץ)、旧約23回、詩篇12回)があります。新改訳では「助け出す」と訳しています。さらにもうひとつ、「ヤーツァー」(יָצָא)、旧約1069回、詩篇34回)があります。「連れ出す」「導き出す」「引き出す」「携え出す」「救い出す」という意味です。
  • 以下の五つの「救出動詞」
    ①「ヤーシャ」(יָשַׁע)
    ②「ナーツァル」(נָצַל)
    ③「パーラト」(פָּלַט)
    ④「ハーラツ」(חָלַץ)
    ⑤「ヤーツァー」(יָצָא)

これらすべてが登場するのは詩篇18篇においてです。興味深いことに、②③④の動詞の語根には〔ラーメド〕לの子音が、あるいは②④⑤の動詞の語根には「ツァーデー」(צ)の子音があります。

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