恩寵用語Ps2
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詩2篇「笑う」 שָׂחַק サーハク
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4節「天の御座に着いている方は笑い、主はその者どもをあざけられる。」(新改訳)
Keyword; 「笑う」 laugh, 2:4/37:13/59:8
- 「笑う」(典礼訳では「見下す」、口語訳では「あざけり笑う」)と訳された神の「笑い」は、「サーハク」(שָׂחַק)で、旧約では36回、詩篇では5回使われています。しかしその5回のうち神が主語であるのは2:4を含めて3回です。
37:13「主は彼を笑われる。彼の日が迫っているのを(=自滅すること)ご覧になるから。」
59:8 「しかし主よ。あなたは、彼を笑い、すべての国々を、あざけられます。」
- 4節の「笑う」の「サーハク」(שָׂחַק)の同義語として、同節に「あざける」(「ラーアグ」לָעַג)があります。しばしば「サーハク」とセットで用いられます。訳としては、新改訳の「あざける」の他に、典礼訳「恥をさらす」、関根訳「嘲笑する」があります。旧約で26回、詩篇では12回使われています。
- 詩2篇の視座は、神の視点(主の定め)から「地的現実」を見ています。その視点を持つことで、私たちに「安息」「確信」「平安」「希望」をもたらします。いつの時代にもおいても神に敵対する勢力は存在します。バベルの塔を建てようとしたときも、またイェシュアを十字架につけたときも、そしてやがてキリストの再臨前にすべての国民が神の民イスラエル(ユダヤ人)を攻撃するときも、地上の支配者たちは、常に「主と、主に油注がれ者とに」逆らうのです。
- 詩篇の中に「敵」ということばが多く出てきますが、その多くは神に逆らう者のことです。詩1篇では「悪者」ということばで表現しています。この敵の攻撃に対して、敵の策略に対して、「正しい者」たちが天の御座という視座からものごとを見ることができるならば、嘆きは賛美へと変わっていくはずです。神の笑いは、神に敵対する者にとってはやがて裁きを招きますが、神に身を避ける者にとっては恩寵なのです。この視座をしっかりと身につけていたいものです。
- 高き御座から見下ろしておられる神の荘厳な姿とゆとりを思い起こすことによって、神の御子に身を避ける者に、落ち着きと、内なる静けさと、ゆるがされない確信とを与えるのです。しかもこのことが幸いだと人称なき存在(=聖霊)は語っています。