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ユダ国における暗黒の七年間

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46. ユダ国における暗黒の七年間

【聖書箇所】Ⅱ歴代誌 22章1節~12節

ベレーシート

  • ユダの王ヨラムの死後、王となったのはアハズヤ(אֲחַזְיָהוּ)。彼は42歳で1年間だけの治世でしたが、その特徴は「アハブの家の道に歩んだ」と評価されています。その理由は「彼の母が彼の助言者で、悪を行わせたからだ」としています。彼の母とはヨシャパテの息子ヨラムの妻アタルヤのことです。アタルヤ(七年間の治世)はやがて「終わりの日」に現われる反キリストの型と言えます。

画像の説明

  • ヨシァパテの治世とヨアシュの治世の間には、異常な出来事が起こっています(21~22章)。この22章では、ヨシャパテ以来北イスラエル王国と協調関係を歩んできた南ユダ国に最大の霊的暗黒時代をもたらしました。具体的には、それはアハズヤが北イスラエルの王ヨラムを見舞いに行った時に、アハブの子ヨラムとともにエフーによって殺害されてしまいました。そのことからアタルヤが女性でありながら王位を得ることでもたらされました。しかし七年後、ユダの祭司エホヤダのクーデターによってアタルヤは失脚します。歴史の流れは協調路線から、再び対立路線へと歩み始めるようになってしまいます。

1. 「アハブの家の道に歩んだ」

  • 「父が酸いぶどうを食べたので、子どもの歯が浮く」という格言がありますが、まさに、ユダの王ヨシャパテの息子ヨラムとその息子(末子)アハズヤはこの格言どおりの歩みをしたことが聖書に記されています。それは「アハブの家の者がしたように」(Ⅱ歴代誌21:6)とか、「アハブの家の道に歩んだ」(Ⅱ歴代誌22:3)というフレーズで表わされています。王位の権威をこの世の王となんら変わらない自己本位に用いた罪です。それゆえにアハブの「オリム王朝」は48年で絶えてしまいます。
  • この時に用いられた人物が、オリム王朝の後のエフー王朝の最初の王となるエフーです。彼は軍人でしたが、預言者エリシャの使いから油注がれた人物で、神がエフーを用いて、イスラエルの王ヨラムとヨラムを見舞いに行ったユダの王アハズヤを殺しました。

2. ユダの血筋が奇蹟的に守られた

  • アハズヤが死んだあと、その母であるアタルヤはユダの王家の血筋を絶えさせようとしました。しかし、神はアハズヤの妹とその夫である祭司エホヤダによってそれを阻止させました。ユダの王家の唯一の血筋を持つヨアシュは、六年間、神の宮の中でアタルヤから身を隠していたのです。これはまさに奇蹟的なことであったと考えられます。
  • ちなみに、「身を隠す」と訳された動詞は「ハーヴァー」(חָבָא)です。神から離れて、神を恐れて「身を隠す」という場合もあれば(創世記3:8,10)、神のために「身を隠す」という意味(ヨシュア2:16、イザヤ49:2)や「かくまわれる」という恩寵的な意味にも使われます(ヨシュア6:17, 25、Ⅰ列王18:4)。この隠遁の恩寵を経験できた者は幸いです。
  • ダビデと結んだ約束のゆえに、神はどんなに過酷な現実の中においても契約に対する真実を果たされます。神の真実をあかしする舞台は歴史です。それゆえ、歴史の流れの中に神の真実は貫かれていきます。敵であるサタンがどんなにそれを阻止しようとしても、神の真実は途切れることなく継続していくのです。このことを心に留めたいものです。


2014.4.2


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