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ヤコブの生涯とその転機、および神の約束

創世記7  ヤコブの生涯とその転機、および神の約束

  • 神はアブラハムに与えた約束の後継ぎとして兄のエサウではなく、弟ヤコブを選んだ。しかし神はヤコブが神のふさわしい器となるまでに実に20年の歳月をかけて取り扱われた。ヤコブには二つの大きな転機がある。

画像の説明

1. 誕生からベテル経験まで(25~28章)

① 双子の誕生(結婚して20年後)・・・リベカに与えられた「兄が弟に仕える」という預言。
a. エサウ・・毛深い。「巧みな猟師」「野の人」・・体格も良く、スポーツマンタイプ。
b. ヤコブ・・肌は滑らか。外面的には穏やか。しかしその下には底知れぬずる賢さが潜む「かかと」を意味する名のとおり、ヤコブは人の足をつかみ、出し抜き、人を押しのけるような性格であった。
② 長子の権利をだまし取ったヤコブ
③ 逃亡の旅に出たヤコブ
兄エサウの憎しみと殺意を知り、父母を離れて叔父の住むカランに向けて逃亡を図る。ヤコブは孤独の中ではじめて個人的に神に出会うことになる。
④ ベテルの経験 (夢の中で見た天からの梯子と神の約束)
アブラハムに約束された三つの内容が継承され、確認されている(28章13~14節)
「見よ。主が彼のかたわらに立っておられた。そして仰せられた。『わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。
わたしはあなたが横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫とに与える。
あなたの子孫は地のちりのように多くなり、あなたは、西、東、北、南へと広がり、
地上のすべての民族は、あなたとあなたの子孫によって祝福される。』

主の無条件的約束(28章15節)
「『見よ。わたしはあなたとともにあり、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ戻そう。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。』」

  • これはアブラハムへの約束の延長であるが、アブラハムとイサクでさえこのような約束を宣言されることはなかった。マラキ書には、「わたしはヤコブを愛した。わたしはエサウを憎んだ」(1章2節)とあるが、ヤコブが神に愛されたのは、彼の行いではなく、神の一方的な選びの計画によるものであったと記されている。ローマ9章11節を参照。

2. カランの生活からペニエル経験まで(29~32章)

(1) カランでの生活
a. 兄や父を欺いたヤコブが叔父ラバンから欺かれる。恋するラケルのために14年間、無報酬で働く。
b. 叔父ラバンを出し抜いて自分の財産を築く。利害関係だけが先行。したたかなヤコブ。
c. 多くの子供に恵まれる・・・・12人の息子たちと一人の娘。
d. 自分の故郷に帰るよう神から示される。

(2) ペニエル経験(32章)
a. 兄エサウを恐れるヤコブ
b. 夜明けまで格闘するヤコブ
ヤコブの自我があまりにも強烈だったため、神の使いはヤコブのもものつがいを打った。そこが打たれるということは、神により頼まなければ生きて行けない存在となったことを意味する。自分の名が「ヤコブです!」と告白したとき、彼の名はイスラエルに変えられた。ヤコプからイスラエルへ。この経験をしたヤコブは、その所の名をペニエルと呼んだ。ペニエルとは『私は顔と顔とを会わせて神を見たのに、私の命は救われた』という意味である。自分の真相が神の前に引き出され、その醜い姿が照らし出されたにもかかわらず、こんな自分を愛し続けて下さる恵みに私は救われたという意味である。
c. 自分の弱さを自覚したとき、真の霊的勝利(平安)が来る。「弱いときにこそ、私は強い」というパウロの告白。


3. ペニエル経験後の砕かれた者の幸い(33~50章)

(1) エソウとの和解
ヤコブは兄を恐れていたが、エサウはヤコブを快く迎え入れた。問題はヤコブ自身にあった。ヤコブは「私はあなたの顔を、神の御顔を見るように見ています。」(33:10)と言った。これは兄へのへつらいではなく、エサウとの和解において神の助けを実感したことの率直な表現である。

(2) 神の恵みの明確な自覚
兄に贈り物をするとき、「神が私を恵んでくださったので、私はたくさん持っています」とヤコブはあかしした。

(3) 明確に神にゆだねる生き方へ
ペニエル経験以後、ヤコブの生涯にはいろいろなことが起こった。不幸な事件と悲惨な結果。最愛のラケルの死・・など。以前のヤコブであるならば、知恵をしぼり、画策を尽くして対抗したに違いない。しかし、ペニエル経験後、「黙っていた」とか「ただ聞いていた」というように、神にゆだねた沈黙と忍従の態度が目立つ。自我に死んだ姿をここに見る。「主は心の打ち砕かれた者の近くにおられ、たましいの砕かれた者を救われる。」(詩篇34篇18節)


4. アブラハムへの神の約束の継承と確認

  • ヤコブにはラケルとレアの二人の妻と合計12名の息子がいた。彼が神が約束されたように、ベテルに戻ってきた時、主は彼を祝福された。
    「わたしは全能の神である。
    生めよ。ふえよ。一つの国民、諸国の民のつどいが、あなたから出て、王たちがあなたの腰から出る。
    わたしはアブラハムとイサクに与えた地を、あなたに与え、あなたの後の子孫にもその地を与えよう。」(35:11~12)
  • こうしてヤコブの生涯は、神のすばらしい約束が与えられるところで終わる。

ヤコブの家系


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