「八〇万本の木を植えた話」
「八〇万本の木を植えた話」を読んで
- 今年の春頃から、礼拝後の食事を済ませた後で、孫と一緒に、近隣の図書館に本を借りに行くことが習慣になりました。孫が自分の借りる本を探している同じコーナーで、私は「八〇万本の木を植えた話」(イ・ミエ著、合同出版、2009.6月発行)という本を見つけました。
- 毎年、春になると日本にも降ってくる「黄砂」、この「黄砂」の原因は砂漠で発生する砂嵐ですが、この「八〇万本の木を植えた話」の舞台は、「黄砂の震源地」と言われたモンゴルのモウソ砂漠です。砂嵐と戦いながら、その砂地に木を植え、失われた緑を取り戻し、緑あふれるいのちの楽園に変えた感動の実話です。
- その大変な仕事をやり遂げたのは一組の夫婦でした。イン・ウィチョンという女性が1985年、モウソ砂漠で暮らすバイ・ランシャンと結婚し、そのときから二人は砂を掘り、一本一本木を植えていきます。やみくもな熱心だけでは成功しません。木を植えるにしても、その方法や植えた木を育てる知恵が必要です。二人はさまざまな失敗を重ねながら、それを学び、数々の試練を乗り越えながら、20年間、二人は力を合わせて働いて、ついに荒涼とした砂漠に緑の王国を取り戻したのでした。
- 毎年、砂漠化した地に木を植えるために、日本から多くのボランティアが、中国・モンゴルに行っているようです。地球環境を守るための問題意識とその取り組みは尊いことですが、私は、この本を読みながら、一組の貧しい夫婦が、木をこつこつと植えていく姿に感動しました。「どうせ抜け出すことができない運命なら、この砂漠を生きていける土地にしてしまおう」(24頁)と心に決めた妻のウィチョンのことばが印象的です。
- もし、神さまが20年という歳月を、今後、私に保障してくださるとしたら、私はいったいなにをなすべきだろうか、と深く考えさせられました。私は今、57歳。20年後と言えば77歳。80歳までの自分の人生の歩みを見据えながら、地道に取り組むべき意味ある課題を見出し、無駄な時間を過ごすことなく、毎日をこつこつと歩んでいきたいと心に決めました。
- 「私たちの齢は七十年。健やかであっても八十年。・・・・
それゆえ、私たちに自分の日を正しく数えることを教えてください。
知恵の心を得させてください。」(詩篇90篇10,12節)
2009/08/05
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