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「人手によらずに切り出された一つの石」


「人手によらずに切り出された一つの石」の秘密

ダニエル書 2章34節

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【新改訳改訂第3版】ダニエル書2章34~35節
34 あなたが見ておられるうちに、一つの石が人手によらずに切り出され、その像の鉄と粘土の足を打ち、これを打ち砕きました。
35 そのとき、鉄も粘土も青銅も銀も金もみな共に砕けて、夏の麦打ち場のもみがらのようになり、風がそれを吹き払って、あとかたもなくなりました。


●「人手によらずに切り出された石」とは「メシア」を象徴する石です。聖書ではしばしば「石」はメシアであるイェシュアを預言する象徴として使われている箇所があります。

●「人手によらずに切り出された石」に、なぜ大きな力が秘められていたのでしょうか。「石」を英語では「ストーン」(stone)と言います。「ストーン」という言葉からとりわけ深い意味は出てきません。しかし、ヘブル語の「エヴェン」(אֶבֶן)で考える時、そこに神の秘密が隠されていることが分かるのです。

●まず、この石が「人手によらずに切り出された」と説明されていることに目を留めてみたいと思います。石であることに注意してみましょう。新改訳も口語訳も新共同訳も、こぞって「人手によらずに切り出された」と訳しています。「切り出される」と訳された原語はアラム語の「ゲザル」(גְּזַר)のヒットパエル態です。ですから、「一つの石が切り出される」は「ヒットゲゼレット・エヴェン」(הִתְגְּזֶרֶת אֱבֶן)となります。

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●「エヴェン」(אֶבֶן)は、「父」(「アーヴ」אָב)と「子」(「ベーン」בֵּן)が一つに組み合わさっています。つまり、父と子(御父と御子とはひとつであって、切り離すことができないのです。そのことが大きな力をもっているのです。

●しかもこの石は、人手によらずに切り出された石、いわば自然の「あるがままの石」なのです。聖書では「自然なままの」「あるがままの状態」のことを、「完全な」ものとみなします(申命記27:6、ヨシュア8:31)。

●完全な状態のことをヘブル語では「シャーレーム」(שָׁלֵם)と言います。動詞も形容詞も同じく「シャーレーム」です。この語の意味は、動詞では「完成する、成し遂げる、終わらせる」、形容詞では「ありのまま、完全な」という意味です。したがって、「人手によらずに切り出された石」とは、神のご計画やみころろを完成させる「唯一の石」と言えるのです。


2017.5.3


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