4. サムエル記の概要
歴史書(1)の目次
4. サムエル記の概要
A. 〔最後の士師、および王国の憲章の創設者サムエル〕・・・1章~8章
- (1) サムエル出生における母ハンナの歴史的な祈り・・1章1節~2章10節
①あるトラブルの背後に隠された神の不思議な計画
- ⅰ. ハンナの苦悩(ペニンナの妬み、夫に愛されながらも子が与えられないという現実)
- ⅱ. 追い込まれて祈った祈り(主の前に注ぎ出した祈り)⇒人間的な行き詰まりこそ神のチャンス。
- ⅲ. 祈りの中での誓約 ⇒「神のために役立つ人物を世に送るという願い」が込められた祈り
②母ハンナの賛美・・神による逆転の勝利。
逆転とは、この世において「心の高ぶっている者」、「権力ある者」、「富む者」が神の御前に低くされ、「主を恐れかしこむ者」、「低い者」、「飢えた者」が神の神の前に高くされるという逆転を意味する。その逆転のみわざは「聖なる方」がうちにおられる時に起こる。
- (2) 神の王国に役立つ有能な器をどのように育てるか・・・・2章11節~36節
①スポイルされた大祭司エリの息子たち・・・失敗例
- ⅰ. 祭司でありながら、よこしまだったエリの息子たちの罪
a. 主へのささげものを奪った
b. 主の宮で仕える女性との姦淫 - ⅱ. 父親としての罪
a.神よりも自分の息子たちを重んじる罪(2章29節)
b.息子たちを戒めなかった罪(3章13節)
②主の前に育てられたサムエル・・・・・・成功例
- ⅰ. 主を恐れる母親のもとで愛情を受けて育った。(乳離れするまで)・・1章23節
- ⅱ.大祭司エリのもとで育った。(母ハンナはエリに預けたのではなく、主に預けたのである)・・1章27~28節
- ⅲ. 主のみもとで成長した
- ⅰ. 祭司でありながら、よこしまだったエリの息子たちの罪
- (3) サムエルの預言者としての召命・・・・・・・3章~4章
①「主よ。お話ください。しもべは聞いております」という信仰姿勢。
②大祭司エリの家に対するさばきの内容。
- サムエルは躊躇するが、ありのままをエリに話したことによって預言者とされた。預言者には人を恐れてはならない資質が求められた。
③大祭司エリに勝る権威があることをサムエルははじめて知った。この経験が彼が後に果たす歴史的役割の原点となったといえる。
④サムエルを通して、当時、稀にしかなかった主のことばがイスラエルの礼拝の中心地シロに与えられるようになった。
- (4) ミツパでのリバイバル・・・・・・・・・5章~7章
①ペリシテ人との戦いでの敗北・・・・イ・カボデ(栄光は去った)
- ⅰ. エリと息子たちの死(預言の成就)
- ⅱ. 神の契約の箱が敵に奪われる(20年間)
②霊的渇望が高まる
- ⅰ. サムエルの指導によるミツパでのリバイバル
- ⅱ. ペリシテ人への勝利
B. 〔最初の王サウルの統治〕・・・・・・・・8章~31章
- (1) 最初の王サウルの誕生・・・8~10章
①王国導入を求める民たちの要求(8章1~9節) ☆きわめて重要な箇所!
②最初の王の誕生までの神の導き(9章~10章)
- ⅰ. 若いしもべの気転
- ⅱ. サウルの外観
- ⅲ. 王として油注がれたサウロ
③サムエルはミツパに民を集め、サウルを公に王とした(10章17~24節)
④サムエル、王国の憲章の成文化(10章25節)
- (2) サウル王権の確立と失脚・・・11章~15章
①機会を生かしたサウル―アモン人との戦いに勝利した―(11章1~11節)
- この戦いはサウルのカリスマ性があかしされた最初の出来事であった。
②王権を創設する宣言がサムエルによりなされる(11章14~15節)
③王位を退けられた理由―サウルの決定的欠陥とは何か―(13章~15章)
- ⅰ. サムエルの制約(王国の理念の監視役)から自由になろうとしたこと
- ⅱ. 自己弁護(不安ゆえの神信頼の欠如)
- ⅲ. 自己本位
- ⅳ. 自己弁護(責任転嫁)
- ⅴ. 不従順(偶像礼拝の罪)