3.シナゴーグ礼拝・・バビロン捕囚による<新しい歌>
本論1 旧約時代における「新しい歌」と礼拝様式の変遷<3>
3. シナゴーグ礼拝・・バビロン捕囚による「新しい歌」
◆ソロモンが7年の歳月をかけて築いた神殿は、紀元前586年に破壊され、多くのイスラエルの民はバビロンでの捕囚の身となった。当然それまでなされてきた神殿礼拝は終焉した。詩篇137篇1~2節にはこうしるされている。「バビロンの川のほとり、そこで、私たちはすわり、シオンを思い出して泣いた。その柳の木々に私たちは立琴を掛けた。」とある。神殿を失ったイスラエルの民は、異教の地において、神殿の代わりにシナゴーグを建てた。このシナゴーグ礼拝において人々はモーセ五書を朗読(朗唱)し、祈りを唱え、「新しい歌」としての祈りの歌が生まれた。それは簡素で純粋なものであった。詩篇の中にみられる「みことば賛歌」(19篇、119篇等)もこうした歌の結晶と言える。