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緑柱石

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1. 大祭司の胸当てに埋め込まれている12の宝石

(10) 「緑柱石」ー「 ダン部族」

画像の説明

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ベレーシート

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  • 「緑柱石」と訳された(新改訳、新共同訳)の原語は「タルシーシュ」(תַּרְשִׁישׁ)です。「タルシーシュ」には三つの意味があります。

(1) 固有名詞―ヤペテの子孫の中のヤワンの子孫のひとり(創世記10:2~3)。

(2) 固有名詞―スペイン東南部の地(Ⅰ列王10:22/22:49)
ヨナが主の御顔を避けて向おうとした地(ヨナ書1:3, 3, 3/4:2)。ソロモンはタルシシュの船団をもって、三年に一度、金、銀、象牙、さる、くじゃくを運ばせました。ヨシャパテも金を得るために、タルシシュの船団をもっていたが、エジプト近海で難破しました。「あなた(主)は東風でタルシシュの船を打ち砕かれる。」(詩篇48:7)

(3) 名詞ー緑柱石、エポデにつける宝石(出28:20/39:13)、エゼキエル1:16/10:9/28:13、雅歌5:14 、ダニ10:6

雅歌5章10~14節には花嫁が花婿のうるわしさを表現していますが、その中に、花婿の腕がタルシシュ(緑柱石)をはめ込んだ丸い金の棒にたとえられています。

エゼキエルの見た四つの生きものとそれを支える四つの輪の幻(1章)が記されていますが、その輪の形とつくりは、緑柱石の輝きであったと記されています。

ダニエルの見たひとりの人の幻は「亜麻布の衣を着、腰にウファズの金の帯を締めていた。そのからだは緑柱石のようであり、その顔はいなずまのようであり、その目は燃えるたいまつのようであった。また、その腕と足は、みがきあげた青銅のようで、そのことばの声は群衆の声のようであった。」と記されています。

  • 上記の叙述から、「緑柱石」のイメージが、他を寄せつけない、圧倒的な輝きと力を象徴する宝石のように思われます。

1.「ダン」の語源は「さばき、さばく者」という意味

  • 「ダン」(דָּן)の意味(創世記30:6)は、ラケルの女奴隷ビルハが生んだ最初の子です。「神は私をかばってくださり、私の声を聞き入れて、私に男の子を賜った。」と言い、それゆえ、その子をダンと名づけた。「ダン」の語源は「さばく、弁護する」、あるいは「さばく者、弁護する者」を意味する「ディーン」(דִּין)で、動詞、名詞、いずれも同形。
  • 父ヤコブはダンを、モーセはダン部族を以下のように祝福しています。

    創世記49章16~17節
    16 ダンはおのれの民をさばくであろう、イスラエルのほかの部族のように。
    17 ダンは、道のかたわらの蛇、小道のほとりのまむしとなって、馬のかかとをかむ。それゆえ、乗る者はうしろに落ちる。


    申命記33章22節

    22 ダンについて言った。「ダンは獅子の子、バシャンからおどり出る。」(「おどり出る」はこの箇所にしか使われていない語彙)


2. 「ダン」の精神

  • 「ダン」の精神は、父ヤコブの祝福の言葉の中にあるように、第一に「おのれの民をさばく」ことです。これは彼と同じ境遇にあったナフタリ、ガド、アシェルと同様で、「自主性」を意味しています。
  • 第二の「ダンの精神」は、小部族でありながら、自他ともにやがてその頭角を表わすことです。ダン族は当初、エルサレムの西の海沿いの土地を与えられましたが、後にそこから遠く離れたガリラヤ湖よりも更に北方の地に移住しました。「ダン」の町はバシャンの西北部の町です。そこにおいて「ダンは獅子の子、バシャンからおどり出る。」と預言されているのです。
  • ちなみに、ダン部族出身のサムソンはイスラエルの強敵であったペリシテ人に対して単独で戦った士師です。サムソンの霊的覚醒が与えられた場所は「マハネ・ダン」という所でした。「マハネ」の複数形は「マハナイム」で「神の陣営」を意味します。主はそこでサムソンを「揺り動かし」始めたのです。しかし、そうしたことはモーセがすでに預言していました。ダン部族は小部族でありながらも、サムソンに象徴されるように、「獅子の子」として頭角を現わすことを(申命記33章22節)。
  • ダン部族の中にメシアであるイェシュアが啓示されています。それは、公生涯において、神に遣わされたイェシュアが主の霊によって「獅子の子」としての頭角を現わしはじめたことです。主の霊によって、イェシュアは、孤高にも、御父の心とそのみわざを成し遂げていきます。しかし、その背後には御父との絶えざるゆるぎない交わりがあったことを忘れてはならないのです。


2014.5.22


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