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私は、いつまでも、【主】の家に住まいましょう


瞑想(16) 「私は、いつまでも、【主】の家に住まいましょう。」(v.6-c)

とこしえに、主の家に住むこと

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  • さて、「私は、いつまでも、主の家に住まいましょう」というダビデの誓いは、彼の生涯を動かした情熱です。ここで主にある者たちは、ひとりひとり、自分を動かしている内なる情熱は何であろうかと自問してみる必要があります。ダビデは詩篇27篇において、彼が最も願っていることを次のように記しています。

わたしは一つのことを主に願った。私はそれを求めている。
私はいのちの日の限り、主の家に住むことを。
主の麗しさを仰ぎ見、その宮で、思いにふける、そのために

  • 「主の家に住む」とは主を礼拝し、主を知ることを意味します。「主の家」とは「主の宮」「神殿」とも言い、新約時代においては、主を信じる私自身のことです。なぜなら、私自身のうちに主が住まわれるからであり、その主と親しく交わることが礼拝だからです。主が私のうちに臨在してくださること、主の臨在で私のうちが満たされること、これこそダビデが求めた「ただ一つのこと」(One Thing)でした。しかも、そのことがいかに重要で、優先すべきことか、そしてすばらしいものであるかを彼は知っていたのです。ダビデにとって「臨在こそ、わがすべて」であったと言えます。
  • この臨在の経験を求め、あるいは、持ち続けるためには「心を神に集中する」ことが必要です。ところが、私たちの周囲にはそれを妨げるものが数多く存在します。たとえば、騒音、人の声、テレビの音、電話の呼び出し、人の訪問等の物理的な妨げ。あるいは、人に対する恐れ、思い煩い、二心、ストレスといった心理的な妨げがあります。また、空想、おしゃべり、交わり、買い物・・といった悪いとはいえないものでも、神との交わりの生活を集中させなくしてしまう要因となることがあります。このように、私たちの敵は様々な方法で、私たちが主と親しく交わるときを巧妙に妨げようとしているのです。
  • それゆえ、ダビデは「一つのことを主に願った」のです。これは主との交わりを自分のライフスタイルの中で優先的に選び取るという決心を意味しています。「私はそれを求める」という強い決心なしに、集中して主と交わる生活ができないことを彼はよく知っていたのだと思います。しかるにダビデは、詩篇86篇11節で、「主よ。私の心を一つにしてください」と意識的に祈っています。なぜならそれは自動的には決して得られないからです。
  • 「主の家に住む」という決心は、「祝福を受け継ぐために召された」者(Ⅰペテロ3章)に求められる重要な召しそのものです。「主の家に住む」ことは主の臨在をもたらします。その臨在が満ち溢れるとき、栄光の雲(シャハイナ・グローリー)はその人自身だけでなく、まわりにいる人々にもその影響は確実に及んでいくと信じます。

【附記】

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詩篇23篇6節後半の「ヴェシャヴッティー」(וְשַׁבְתִּי)の訳として、その原語に二つの解釈があります。一つは「住む」を意味する「ヤーシャヴ」(יָשַׁב)と、「帰る」を意味する「シューヴ」(שׁוּב)です。新改訳は前者だとし、新共同訳は断定せずに、二つの意味をそのままに訳しています。つまり、「主の家に帰り」、そこにとこしえまでとどまるとしているのは、「主の家に住まう」ことだと言えます。

【新改訳改訂第3版】
私は、いつまでも、【主】の家に住まいましょう

【新共同訳】
主の家にわたしは帰り/生涯、そこにとどまるであろう

●「ヴェシャヴティ」(וְשַׁבְתִּי)の文法分析をすると、頭の「ヴェ」(וְ)は接続詞、語尾の「ティ」(תִּי)は完了形につく「私は」を意味する人称代名詞の第一人称単数です。完了形ですが、継続ヴァヴ完了形となっており、意味としては「~しよう」という未完了形となります。ちなみに、継続ヴァヴ完了形ではなく、単に未完了形だとしたら、「私は住もう」は「アーシューヴ」(אָשׁוּב)となります。
●真ん中の「シャヴ」(שׁב)が親語根(parent roots)で、しばしば「א」「ה」「ו」「י」という子語根(child roots)が付加されて構成されます。従って、ここでは「シューヴ」(שׁוּב)とも、「ヤーシャヴ」(יָשַׁב)とも解釈できるのです。この二つの用語は共通の親語根をもった親類のようなものです。「帰る」「とどまる」は、幕屋の構造である「贖い」と「内住」)そのものです。新共同訳はそのニュアンスをそのまま訳しています。ところが【聖書協会共同訳】では「私は主の家に住もう」に改訳されました。


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