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瞑想Ps82/A

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瞑想Ps82/A

  • 「弱い者とみなしごのためにさばき、悩む者と貧しい者の権利を認めよ。弱い者と貧しい者とを助け出し、悪者どもの手から救い出せ。」(3~4節)
  • この詩篇の舞台設定はとても不思議です。あたかも「いと高き方が」神々の前で聖なる会議(あるいは法廷)をしているようで、バーチャル(仮想現実)的な設定のように感じます。しかし、そこで言わんとすることは分かります。社会において虐げられている者たちの姿が神の目に映り、地上の指導者たちに、弱い立場にある「みなしご」、「悩む者」、「貧しい者」らを擁護するよう指導者たちに指示していることです。この指示の真意は何なのでしょうか。
  • 詩篇の中には、神が弱い者たちを軽く見ることはなさらず、かばってくださることがたたえられています。
    • 10篇18節
      「(主よ。・あなたは)みなしごと、しいたげられた者をかばってくださいます。」 
    • 140篇12節
      「私は知っています。主は悩む者の訴えを支持し、貧しい者に、さばきを行われることを。」
  • イスラエルに王制が取り入れられてから、ソロモン王の時代には経済面において膨大な富がもたらされました。ソロモンの豪華な宮廷生活、国家的建設事業とそれを遂行するための官僚組織に払われる膨大な人件費等によって、国家財政は慢性的な支出超過に陥っていきます。そのつけは当然、国民に回ってくる。これは今日の日本の経済状況と似ています。発展する経済は富める者をさらに富ませ、貧しい者たちをさらに貧しくさせました。その貧富の格差は大きく広がっていきました。その後、イスラエルは二つに分裂します。北も南もそれぞれの指導者たちが豊かさを追求するために、他の国と同盟関係を結んで行きます。そしてそのことが神の理念からそれていく結果となります。特に申命記に記されている神の福祉理念は喪失し、その結果、神の民としての連帯性の危機に瀕していたのです。そうした事情がこの詩82篇の背景にあるように感じます。
  • 北イスラエルの預言者として立てられたアモスのメッセージの特徴は、神の民としての共同体における公義と正義を訴えていることです。国の経済的繁栄とは裏腹に正義は曲げられ、強い者が貧しい弱い者たちを虐げている現実がありました。繁栄という名の偶像礼拝によって神の民の連帯性は喪失していたのです。そこで神は天上において御前会議を開催し、ご自身のさばきを語ったのが、この82篇3~4節のことばであると思われます。
  • ある人が「一つの家庭に弱い者がいるということは、健全な家庭を生み出す。」と言われましたが、まさにその通りだと信じます。私たちの周りにはハンディを持った人がいます。知的ハンディ、身体的ハンディ、子どもたちやお年寄りもそうです。彼らは非生産的存在のように思われるかもしれません。しかし彼らは、家庭に、教会に、社会に調和をもたらし、お互いがいたわり合って生きるためになくてはならない大切な存在なのです。今日、そのことを私たちが考え直す必要に迫られていると信じます。

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