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恩寵用語Ps107

詩107篇 「助け出す」 מָלַט マーラト

〔カテゴリー救出〕

20節「主は・・その滅びの穴から彼らを助け出された。」 (新改訳)
20節「主は・・破滅から彼らを救い出された。」(新共同訳)

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22:5/33:17/41:1/89:48/107:20/116:4/124:7, 7

  • 「助け出す」「救い出す」と訳された救出用語の「マーラト」(מָלַט)は旧約で95回、詩篇では8回とそれほど多くはありませんが、いずれも、人の力を越えた大きな力、死とよみの恐怖、滅びの穴、破滅のわなから「救い出す」といった意味です。詩107篇では「滅びの穴から」(新改訳)、「破滅から」(新共同訳)、「死の病」(典礼訳)から救い出されたことが記されています。
  • 神はご自身の恵みを私たちに示すために、人間の力では救い出せない状況へと追い込まれることがあります。それは私たちを神の救い出しを経験させるためです。かつての出エジプトにおいても、神がエジプトの王パロの心をかたくなにさせました。それは神の力を示すためにほかなりませんでした。さすらいの経験、飢え渇きの経験、束縛の経験、先の見えない行き詰まりの経験、不条理な闇、失敗、挫折、敗北がもたらす苦悩、煩悶、患難、労苦、そうしたすべてが神にしかなしえない救出へと向けられているのです。
  • 詩107篇には「マーラト」(מָלַט)の他に、救出用語が三つあります。6節の「救い出す」と訳された「ナーツァル」(נָצַל)、13,19節の「救う」と訳された「ヤーシャ」יָשַׁע)、そして14, 28節の「連れ出す」と訳された「ヤーツァー」(יָצָא)です。
  • これまで自分の信仰生活の歩みを振り返る時、何度か大きな信仰の危機を通りました。神の道よりも自分の道を優先したために完全に先が見えない状況に陥りました。その「苦しみ」の中で涙ながらに主に叫び求めました。そして神中心の生活が始まり、献身の道へと導かれました。それから14年後(開拓伝道から3年目)にして完全に行き詰まりました。ある集会で祈ってもらっていた時、主が私の魂の渇きを知っておられることに気づかされ、新しい霊の流れが私の内に注がれはじめました。それから10年後、主の前に大きな罪を犯し、悔い改めた後、自分の信仰をリセットすべく完全に神の「隠れ場」に5年間隠されました。そして今に至っています。その間にも、さまざまな信仰のアップ・ダウンを繰り返しながら、その都度、神に向かって叫び、神はその叫びを聞いてくださり、そこから救い出して下さいました。私が今、立つことができているのは、ただただ神の恵みのゆえなのです。
  • 詩107篇の作者が「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深く、その恵みはとこしえまで。」と呼びかけているように、私も自分のたましい向かって呼びかけ続けています。

「主の恵みと、私への奇しいわざを主に感謝せよ。
主はまことにいつくしみ深く、その恵みはとこしえまで。」と。

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