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各部族の宿営、および行軍の秩序

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民数記の目次

2. 各部族の宿営

【聖書箇所】 2章1~34節

【鍵語】 「旗」

【新改訳改訂第3版】
2:1
【主】はモーセとアロンに告げて仰せられた。
2:2
「イスラエル人は、おのおのその旗のもと、その父祖の家の旗じるしのもとに宿営しなければならない。会見の天幕の回りに、距離をおいて宿営しなければならない。」

2:34
イスラエル人は、すべて【主】がモーセに命じられたとおりに行い、それぞれの旗ごとに宿営し、おのおのその氏族ごとに、父祖の家ごとに進んだ。


はじめに

  • 2章では、どこに(配置)、どのように宿営すべきかが神から示されます。「会見の幕屋の周囲に」、それぞれ「父祖の家の旗じるしのもとに」宿営することでした。人を通してではなく、「秩序の神」がすべてを決められたのです。

1. 会見の幕屋を中心とした配置

  • 神の臨在の場としての「会見の幕屋」を中心として、その外側に神に直接的に仕える祭司とレビ族、その外側に12の部族が四方に配置されます。
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以下の図は、大祭司の胸当てにある12の宝石の配列です。この配列は、宿営・行進の配列です。

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2. 父祖(家系)の「旗」のもとに

(1) 部族の象徴としての「旗」

  • 12部族が三部隊ずつ東西南北の四方にある旗のもとに整然と宿営しなければなりませんでした。ここでいう「旗」とは部隊のしるしとしての「旗」(「デゲル」דֶּגֶל)で、旧約中14回使われていますが、その中の13回が民数記にあります。「デゲル」(דֶּגֶל)の動詞は「ダーガル」(דָּגַל)で、「旗をかかげる、際立たせる、群れをなして集まる」という意味があります。イスラエルの民は自分の属する旗のもとに宿営した(とどまった)のです。全体としては、12の部族が「会見の天幕」を中心として互いに向き合い、互いに寄り添い合う形となっています。
  • 「旗」は自分の持ち場を知ってそこで「共に生き」「共に歩み」「共に進み」「共に敵と戦い」「共に仕える」ことを意識させるシンボルです。
  • 神の民の「旗」とは、新約においてはキリストご自身であり、キリストのことばを意味します。私たちはその旗じるしのもとに集められた者たちです。「キリストの御名」こそ、私たちの旗じるしとならなければなりません。また、「キリストの名」の旗印のもとに宿営(とどまること)しなければならないのです。イエスは言われました。「わたしにとどまりなさい。わたしのことばにとどまりなさい。わたしの愛の中にとどまりなさい。」(ヨハネ15:4, 7, 9)と言われました。私たちは、この「わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないからです。」(同、15:5)と語られたイエスのことばを正しく理解しなければなりません。
  • 臨在の「雲」が動いたときにイスラエルの民は「旅立つ」ことをしますが、神と契約を結んだ民は進軍するまえに、まず、自分の父祖の家の「旗」のもとに「宿営した(とどまった)」ように、主にある者たちも、キリストのうちに「とどまる」ことをしっかりと学ぶ必要があるのです。この順序はキリスト者の生活においてきわめて重要な真理です。

(2) 合図のしるしとしての「旗」

  • この「旗」については民数記の中には出て来ませんが、「合図としての旗」の存在があることをこの機会に心に留めておきたいと思います。それは「ネース」(נֵס)で、「合図としての旗」を意味します。イザヤ書で用いられている「旗」はこの意味で使われています。動詞の「ナーサス」(נָסַס)は「呼び集める」「掲げる」「際立つ」という意味があります。詩篇60篇4節「あなたは、あなたを恐れる者のために、旗を授けられました。それは弓にかえてこれをひらめかせるためです。」の「旗」とは「旗ざお」(נֵס)のことです。
  • この「合図としての旗」は、特に預言者イザヤの特愛用語ともいえるものですが、以下の箇所にそれが使われています。

    5:26
    主が遠く離れた国にを揚げ、地の果てから来るように合図されると、見よ、それは急いで、すみやかに来る。

    11:10
    その日、エッサイの根は、国々の民のとして立ち、国々は彼を求め、彼のいこう所は栄光に輝く。

    11:12
    主は、国々のためにを揚げ、イスラエルの散らされた者を取り集め、ユダの追い散らされた者を地の四隅から集められる。

    49:22
    神である主はこう仰せられる。「見よ。わたしは国々に向かって手を上げ、わたしのを国々の民に向かって揚げる。彼らは、あなたの息子たちをふところに抱いて来、あなたの娘たちは肩に負われて来る。

    62:10
    通れ、通れ、城門を。この民の道を整え、盛り上げ、土を盛り上げ、大路を造れ。石を取り除いて国々の民の上にを揚げよ。


  • 合図としての「旗」は建国されたイスラエルの国旗と言えます。それは、国を失い世界各地に散っていたユダヤ民族に帰還を促す旗です。イスラエルの国旗の中にある「ダビデの星」はメシアを指し示す象徴です。また、エルサレムの市章にはユダ族のシンボルである「獅子」がデザインされています。

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2012.1.7


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