****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

事を隠すのは神の誉れ

文字サイズ:

116. 事を隠すのは神の誉れ。事を探るのは王の誉れ。

【聖書箇所】 箴言25章2節

画像の説明


【読み】
ヴォード エローーム ハスール ダーヴァール ウーヘヴォード メラーーム ハール ダーヴァール

【文法】
画像の説明

【翻訳】

【新改訳改訂3】
事を隠すのは神の誉れ。事を探るのは王の誉れ。
【口語訳】
事を隠すのは神の誉であり、事を窮めるのは王の誉である。
【新共同訳】
ことを隠すのは神の誉れ/ことを極めるのは王の誉れ。
【NKJV】
It is the glory of God to conceal a matter, But the glory of kings is to search out a matter.
【NIV】
It is the glory of God to conceal a matter; / to search out a matter is the glory of kings.
【LIB】
物事を秘密にするのは神様の特権、それを探り出すのは王の特権です。

【瞑想】

箴言25章は1節に「次もまたソロモンの箴言であり、ユダの王ヒゼキヤの人々が書き写したものである。」とあるように、ソロモンの箴言の補遺として編集されているようです。そしてその冒頭に「事を隠すのは神の誉れ。事を探るのは王の誉れ。」とあるのです。このことばには深い秘密が隠されています。反意的パラレリズムです。神は隠し、王はその隠されたことを探り、そして発見するからです。

ヒゼキヤは南ユダ王国の13番目の王です。彼は祭司と書記官に命じてソロモンの箴言を書き写すように命じました。当時、ユダは北からの強力なアッシリヤの侵略を受けていた時代です。すでに北イスラエルの首都サマリヤはアッシリヤによって陥落していました。ユダのエルサレムもセナケリブの率いるアッシリヤの大軍にエルサレムが包囲されるという危機的な時代でした(事実、3回にわたる攻撃を受けていました)。そんな状況下で、ヒゼキヤがなんと箴言を編集し直す作業をしていたのです。そこには霊的に重要な意味があります。神の代理者として立てられたヒゼキヤが、戦いにおいて優先したことは神のみことばでした。隠された神のみこころを捜し出すこと、神のみことばをもって勝利すること、それが神の代理者としての王の務めだと考えたのです。

ヒゼキヤ王の父アハズは敵の侵略から守るために、神に頼ることをせず、異邦の国に助けを求めました。預言者イザヤの神にのみ信頼して静かにしていなさい、というメッセージを受け入れませんでした。一時的には解決を得ましたが、結果的にはさらなる苦しみ(貢物をすること)が増しました。しかしヒゼキヤはイザヤの指導を受けながら、アッシリヤの脅威に屈することなく、神にのみ信頼し、神のみことばに堅く立つことが勝利の道だと確信したのです。いつの時代でも失われた神のことばを回復することが霊性の回復の道であり、唯一の勝利の道なのです。

神のみことばは私たちが想像するレベルをはるかに越えた奥深い世界です。物事を秘密にするのは神様の誉れだからです。それゆえ、それを捜し出して発見する者が必要なのです。エレミヤ書29章13節に「もし、あなたがたが心を尽くしてわたしを捜し求めるなら、わたしを見つけるだろう。」とあります。

イエスの語られた「畑に隠された宝」「良い真珠を捜している商人」のたとえがありますが、いずれもそれらは「自分の全財産を売り払ってでも得る価値があることを知っている者がいる」ということです。つまり、天の御国はそのような隠された宝、良い真珠を熱心に捜している者がいる世界です。神のみことばとその知恵は、常に隠されているのです。それを見出すことはどれほど栄光に満ちたことでしょうか。

「探る」と訳されたヘブル語は「ハーカル」(חָקַר)で、徹底的に調べて隠された事柄を見つけるという意味です。これが神の代理者である王の務めであるとすれば、同じく「王である祭司」として召された私たち(教会)もこの使命を理解する必要があります。それは神の豊かな知恵を、この世ばかりでなく、「天にある支配と権威に対して、教会を通して」示すためなのです。神が隠している秘密を見つけるという使命が教会に与えられているのです。このことにもっと力を注ぐ必要があります。それが私たちの誉れとなるのですから。

パウロは神の奥義を多く見出した使徒です。そのパウロが、父なる神を知るために、知恵と啓示の御霊が与えられる必要があることを記しています。

【新改訳改訂第3版】エペソ人への手紙1章17~19節
17 どうか、私たちの主イエス・キリストの神、すなわち栄光の父が、神を知るための知恵と啓示の御霊を、あなたがたに与えてくださいますように。
18 また、あなたがたの心の目がはっきり見えるようになって、神の召しによって与えられる望みがどのようなものか、聖徒の受け継ぐものがどのように栄光に富んだものか、
19 また、神の全能の力の働きによって私たち信じる者に働く神のすぐれた力がどのように偉大なものであるかを、あなたがたが知ることができますように。


2013.7.7


a:7798 t:1 y:0

powered by Quick Homepage Maker 5.2
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional