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主に感謝せよ

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5. 主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い

【聖書箇所】 詩篇107篇1節

画像の説明

【読み】
「ホードゥー ラドーイ キー トーヴ キー レオーラーム スドー」

【文法】

詩篇における呼びかけの定型句の一つです。構文としては、「主に感謝せよ」という命令があり、その根拠となる理由が二つ記されています。第一の理由は、主が「トーヴ」な方、つまり、良い方、いつくしみ深い方であるということ。第二の理由は、主の「ヘセド」、すなわち主の恵みは永遠だということです。

「ホードゥー」(הֹדוּ)は「ヤーダー」(יָדָה)の命令形です。「ヤーダー」(יָדָה)の意味は次のとおりです。、(矢を)放つ、射る (Pi)投げ倒す、投げつける (Hiph)ほめたたえる、感謝する、賛美する、告白する (Hithpael)は(罪を)告白する。ちなみに、同音「ヤーダ」(יָדַע)は、知る、悟るという意味です。

詩篇107篇1節には、二度、「キー」(כִּי)という接続詞が用いられています。「なぜなら」「~なので」「まことに」「たしかに」「たとえ~でも」の意。なぜか、口語訳、新共同訳ではほとんど訳されません。そうした編集方針なのかもしれません。

前置詞の「レ」(לְ)は、(方向を示す)に、(所有を表す)の、~に関して の意。

「トーヴ」(טוֹב)はとても重要な形容詞です。新改訳では「いつくしみ深い」、口語訳と新共同訳では「恵み深い」と訳されますが、ヘブル語は「トーヴ」(טֹוב)で「良い」という意味で、英語ではほとんどgoodと訳されます。主は良い方であり、良いものしか私たちに与えられない方であるという意味です。主は良いものを与えることを何よりも喜びとされる方です。霊的な源泉である主を知ることこそがなによりも重要です。この語彙について詳しく知りたい場合は、
⇒以下を参照

二つの名詞
(1) 「オーラーム」(עוֹלָם)は「永遠」(とこしえ)「永久」「昔」の意。
(2) 「ヘセド」(חֶסֶד)は「恵み」「(不変の、堅固な)愛」「誠実」の意。この語彙について詳しく知りたい場合は、⇒以下をクリック

【翻訳】

【新改訳改訂3】
「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで。」
【口語訳】
「主に感謝せよ、主は恵みふかく、そのいつくしみはとこしえに絶えることがない」と、
【新共同訳】
「恵み深い主に感謝せよ/慈しみはとこしえに」と
【NKJV】
Oh, give thanks to the Lord, for He is good! For His mercy endures forever.

【瞑想】

「主に感謝せよ。主はまことにいつくしみ深い。その恵みはとこしえまで」(1節)のフレーズは、人間の罪の本質を知ることと、神の愛の本質を知ることとに比例します。「主に感謝せよ」という命令に付随して、心に留めなければならないことは、以下の二点です。
(1)「主はまことにいつくしみ深い(良い)方だから」
(2)「主の恵みはとこしえだから」

主に感謝する理由、主を賛美する理由が何であるかということを明確に意識して告白することが重要です。理由が明確でない感謝と賛美は、それ自体、力を持ち得ません。

クリスチャン作家であった三浦綾子は、「私には死ぬという仕事がある」ということを言いました。その仕事のなかに「心を尽くしてすべてのことを感謝する」という仕事があると思います。死を前にして、自分にかかわるすべてのことについて感謝することは大いなる仕事です。「自分が生きている」しるしは、「感謝できない」ということにあります。反対に「自分に死んでいる」しるしは、すべてを感謝することができるということです。自分の死を意識したとき、感謝できることはなんと麗しいことでしょうか。その仕事は普段の日々においてもなされるべきだと思います。


【付記】
「主に感謝せよ」⇒楽譜
「ホドゥー ラドナイ」⇒楽譜

2013.2.19


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