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メルキゼデクに啓示された「いと高き神」

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11. メルキゼデクに啓示された「いと高き神」

【聖書箇所】 創世記 14章

はじめに

  • 「聖書を横に読む」ためには、系譜に登場する人物名と、舞台となる中東の地名です。ある程度の知識をもたなければ、「むかしむかし、あるところに」という神話になってしまいかねません。神は人物と歴史という舞台において救いのご計画を進めていかれます。
  • 14章の最初に多くの国とその王の名前が記されています。全部の名前を覚える必要はありませんが、ソドムとゴモラを支配していたエラムの王ゲドルラオメルがどこにいた王であり、彼が支配していた地域はどこであったのかを頭に入れることが重要です。

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1. 「いと高き神」

  • サレム(後のエルサレム)の王であり、祭司であるメルキゼデクが突然のようにアブラムに現れたのは、アブラムがゲドルラオメルの連合軍を打ち破り、ロトとその財産全部を取り戻すことができたのは、「天と地を造られた方、いと高き神」がアブラムの手に勝利をもたらされた方であることを知らせるためであり、その方に栄光を帰すことを促すためでした。アブラムを祝福するためのこの突然の訪問は、メルキゼデクがアブラムに「天と地を造られた方」こそ、「いと高き神」(エール・エルヨーン)、英語の表記では The Most High God であることを教えるためであったと思われます。

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  • この「いと高き神」(エール・エルヨーン)の啓示は、聖書においてはメシアにのみ与えられている名前であることがやがて明らかとなります(詩篇89:27)。アブラハムは「」と訳される神によって召し出されましたが、その「主」が、「天と地を造られた方」であり、「いと高き神」であることを知らされたのです。すべての名にまさる最も高いところにおられる至高の神であるという啓示は、祭司であり王であるメルキゼデクによって知らされました。「メルキゼデク」のヘブル語表記は「マルキー・ツェデク」(מַלְכִּי־צֶדֶק)で、「正義の王」を意味します。
  • メルキゼデクはなにゆえに「パンとぶどう酒」を持ってきたのでしょうか。あるラビは、これは単に「戦いに疲れたアブラムへの慰労の祝宴を彼が用意したにすぎない」と解釈しているようですが、聖書がイェシュアを啓示する書であるという立場からするならば、その解釈は到底受け入れられません。メルキゼデクの登場とその存在は、やがて王でる祭司である「イェシュア」を指し示すきわめて象徴的な啓示です。というのは、「パンとぶどう酒」は、後に「わたしがいのちのパン」ですと言われたイェシュア(メシア)を表す象徴だからです。
  • 敵に勝利したアブラムに対して、メルキゼデクは「天と地を造られた、いと高き神の祝福を受けよ」と言って、栄光をその「いと高き神」(エール・エルヨーン)に帰したのです。この「いと高き神」こそ、後に啓示される「御父=御子」です。この方の肉(パン)を食べ、この方の血(ぶどう酒)を飲むことによって、つまり、イェシュアを信じることによって永遠のいのちを持つという神のご計画が実現することを、メルキゼデクは「パンとぶどう酒」を通して預言的に示していると考えられます。
ケドルラオメル.JPG
  • アブラムがロトのために戦った相手は、エラムの王ゲオルラオメルとその同盟軍でした。やがてソロモン王以降のイスラエルが戦う相手はアッシリヤ、バビロンですが、そうした相手との戦いの萌芽が創世記14章に予告されていると言えます。エラムの王ゲオルラオメルが支配した地域は、今日の中東全域にまたがっていました。いわゆるこの壮大な地域は、20世紀になって「肥沃な三日月地帯」と言われるようになりました。特に、滅亡したソドムとゴモラの地域にはきわめて貴重な資源が多くあったようで、12年間、貢物をケドルラオメルに進呈していたようです。しかし13年目にその支配に反目したために、14年目に戦いが起こり、ソドムにいたロトはその戦いに巻き込まれて、すべての財産を奪われてしまったのです。その知らせを聞いたアブラム率いる318人と、ヘブロンの指導者であったマムレとその親類であるエシュコルとアネルも参戦して、ダマスコの北にあるホバにまで追いかけていき、ロトの財産とソドムの人々とその財産をケドルラオメルからすべて取り戻したようです。ちなみに、ホバは、ヘブロンからの距離にすると約三百キロメートルにもなるようです。大変な距離を追跡したことになります。
  • 21節で、アブラムがソドムの王の申し出を断ったのは、メルキゼデクが啓示した「いと高き神」に栄光を帰すためでした。

2. アブラムとロトのかかわり

  • 13章にあるように、アブラムもロトもそれぞれ財産を持つようになったために、争いが起こることを懸念したアブラムはロトと別れることを提案し、ロトも自立してそれぞれの道を歩みます。しばらくして、肥沃な三日月地帯を支配していたエラムの王ゲドムラオメルを中心とする勢力の支配との軋轢からロトが巻き込まれことが起こります。そのとき、アブラムはロトのために彼とその財産のすべてを取り戻すべく戦いました。
  • 18章でソドムとゴモラが滅ぼされることを知ったアブラハムはロトのためにとりなします。以後、ロトは自分の娘たちによって、子が与えられますが、それぞれモアブ人とアモン人の先祖となります。モアブ人とイスラエルとのかかわりでは、モアブ人の女ルツがボアズと結婚することによって、ダビデへの系譜、イエス・キリストの系譜へとつながりますが、アモン人とイスラエルのかかわりは常に戦いを余儀なくされています。アモン人はB.C.530年頃に滅亡します。

2011.8.31


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