****** キリスト教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

キリストに対する賛歌

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6. キリストに対する賛歌

【聖書箇所】 1章5b節~6節

【新改訳改訂第3版】
1:5b イエス・キリストは私たちを愛して、その血によって私たちを罪から解き放ち、
1:6 また、私たちを王国とし、ご自分の父である神のために祭司としてくださった方である。キリストに栄光と力とが、とこしえにあるように。アーメン。

【新共同訳】
1:5b わたしたちを愛し、御自分の血によって罪から解放してくださった方に、
1:6 わたしたちを王とし、御自身の父である神に仕える祭司としてくださった方に、栄光と力が世々限りなくありますように、アーメン。

【私訳】
私たちを常に愛してくださっている方に
また、ご自身の血によって私たちの数々の罪から解放してくださった方に
私たちを王(王国)としてくださった方に
また、ご自身の父である神に仕える祭司としてくださった方に
その方に、栄光と力が世々限りなし。アーメン。


1. 「栄光と力」は、だれのものか

  • 1章5節後半~6節の主語は「栄光の力(権力)」です。「栄光」は「ドクサ」、「力」は「クラトス」で、主として神の偉大な支配力、権力、強大な統治力を意味します。それが誰に向けて賛美されているのかと言えば、それは、1章5節の後半にある冒頭にある与格の冠詞(男性、単数)「トー」Τῷ と、6節の与格の代名詞(男性、3人称、単数)の「アウトー」αὐτῷに掛かっています。その方とは、

    (1) 私たちを常に(現在分詞)愛しておられる方
    (2) 私たちを数々の罪から、ご自身の血によって解放してくださった方
    (3) 私たちを王(王国)とした方、またご自身の父である神のため祭司とした方

    です。

2. 「王である祭司」、「祭司の王国」とは

  • 「王、王国、御国」(バシレイア)と「祭司」(ヒエレウス)とは同格です。この二つが同格であることは、Ⅰペテロ2章9節で「あなたがたは、・・王である祭司・・です」と記されていることと、かつてエジプトから救い出されたイスラエルの民に対して、主が「あなたがたはわたしにとって祭司の王国・・となる」(出エジプト記19:6)と語っていることからも確証できます。「王国(王)」と「祭司」は、ワン・セットです。黙示録では、1章6節の他に、5章10節と20章6節にも出てきます。
  • 主は一つの御国を打ち立てられました(しかし、未だこの地において完成していません)。御国(神の国、王国、Kingdom)が完成するのは、キリストがこの地上に再臨されてからの「千年王国」においてです。殊に、「あなたがたは、王である」とは、キリストとともに王としてこの世を支配することと関係があります。しかも、その御国の国民一人ひとりが、神に対する祭司であるということが「王である祭司」、あるいは「祭司の王国」という意味です。
  • 「祭司」(複数形)とされたということは、一人ひとりが、日々絶やすことなく、感謝と賛美を携え、主の御前に立つだけでなく、とりなしの務めをなす責任と特権が与えられたことを意味しています。そのようにしてくださったのは、われらの主であるイエス・キリストに他なりません。旧約においては、祭司でなければ神の聖所に入ることはできませんでした。イスラエルの民は祭司を通して神を礼拝したのです。千年王国においても、とりなすべき多くの者たちが新たに生まれてくるからです。

3. 黙示録における「頌栄」(ドクソロジー Doxology)

  • 黙示録には、以下のように、七つの「頌栄」が記されています。

黙示録の頌栄

  • 上記のリストの中で七つの頌栄のすべてに共通しているのはただ一つ、それは「栄光」(「ドクサ」)です。ヘブル語では「カーボード」(כָּבוֹד)、あるいは、旧約聖書の本文にはありませんが、神の歴史の中にしばしば現わされた神の栄光の輝き、すなわち、「シャハイナ・グローリー」を意味します。

4. 「アーメン」

  • 頌栄の末尾に必ずと言っていいほど「アーメン」というギリシア語があります。「アーメン」とは「まことに、真実、そのとおり」という意味です。新約聖書では129回も用いられていますが、「アーメン」として使っているのは、主に、使徒パウロの書簡(17回)とヨハネの黙示録(9回)です。他はみな「真実、まことに」(英語では、The truth)で使用しています。
  • 日本の伝統的な教会での讃美歌は、一番最後に「アーメン」とあるだけです。しかし最近では、神に対する賛美歌の最初に「アーメン」と大きな声で賛美する曲もあるのです。以下の賛美は、末尾ではなく、冒頭に「アーメン」と歌われます。とどまることを知らない、いつまでも続いていくような曲です。

このような賛美を、私は「御座系の賛美」と名づけています。この種の賛美が、私たちの心を神にストレートに向けるために、教会においてもっともっと歌われてしかるべきだと考えます。

  • ちなみに、黙示録の「アーメン」は、1:6, 7/3:14/5:14/7:12, 12/19:4/22:20, の9回。


2013.11.12


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