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みおしえ

「みおしえ」 トーラー 

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  • 「トーラー」(תּוֹרָה)は、普通、「律法」(新共同訳、関根訳、岩波訳)と訳されます。「主の律法」という場合は、「トーラット・アド―ナーイ」(תּוֹרַת יהוה)となります。
  • 「トーラー」(תּוֹרָה)は、「法」というよりも、神の口から出たひとつひとつの「教え」(teaching)を意味します。「モーセ五書」は旧約の「律法(トーラー)」とも言われます。そこには、人に対する神の祝福への道が教えられています。トーラーのもとになっている動詞はヤーラーיָרָה(yarah)で、「教える」「示す」という意味。イエスが「人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つのことばによる」と語ったそのことばのすべては、神の「教え」(トーラー)のことです。70人訳聖書は「トーラー」を「ノモス」(νόμος)と訳しました。
  • トーラーとは「教え」という意味で、単に法律や規則という意味ではありません。トーラーは、主に三つの意味で用いられています。
    ①広い意味: 神の教えである聖書(律法、預言者、諸文書)全体
    ②普通の意味: 律法、すなわちモーセ五書
    ③狭い意味: モーセ五書のなかの十戒をはじめとするユダヤ法
  • 例えば、イエスが「律法の一点一画もすたれない」と言われたのは①、「律法と預言者」という表現では②、パウロなどが「異邦人は必ずしも律法(の中の戒めすべて)をそのままの形で守る必要はない」と言っているのは③ の意味になります。この3つが混同されると聖書の言っていることがわからなくなります。
     
  • 詩119篇には恩寵用語(動詞)は多くありません。なぜなら、神の律法、すなわち「みおしえ」そのものが恩寵だからです。その「みおしえ」に対して、捕囚の地にいた神の民たちはその「みおしえ」に対してどのように向き合ったのか、その引照箇所を調べることで、その息づかいが伝わってきます。彼らは自分たちのアイデンティティを再び確立するために、神の「みおしえ(トーラー)」に真正面から向き合ったのです。そして、そこから「聖なる民」としての自覚が芽生え始めました。
  • 旧約では220回、詩篇では36回、そのうち詩119篇は25回使われています。ちなみに、申命記におけるトーラーは22回です。以下は詩篇における「みおしえ」(トーラー)の引照箇所です。

  • 詩 1:2
    まことに、その人は【主】のおしえを喜びとし、昼も夜もそのおしえを口ずさむ。
    詩 19:7
    【主】のみおしえは完全で、たましいを生き返らせ、【主】のあかしは確かで、わきまえのない者を賢くする。
    詩 37:31
    心に神のみおしえがあり、彼の歩みはよろけない。
    詩 40:8
    わが神。私はみこころを行うことを喜びとします。あなたのおしえは私の心のうちにあります。
    詩 78:5
    主はヤコブのうちにさとしを置き、みおしえをイスラエルのうちに定め、私たちの先祖たちに命じて、これをその子らに教えるようにされた。
    詩 78:10
    彼らは、神の契約を守らず、神のおしえに従って歩むことを拒み、
    詩 89:30
    もし、その子孫がわたしのおしえを捨て、わたしの定めのうちを歩かないならば、
    詩 94:12
    主よ。なんと幸いなことでしょう。あなたに、戒められ、あなたのみおしえを教えられる、その人は。
    詩 105:45
    これは、彼らが主のおきてを守り、そのみおしえを守るためである。ハレルヤ。

  • 詩 119:1
    幸いなことよ。全き道を行く人々、【主】のみおしえによって歩む人々。
    詩 119:18
    私の目を開いてください。私が、あなたのみおしえのうちにある奇しいことに目を留めるようにしてください。
    詩 119:29
    私から偽りの道を取り除いてください。あなたのみおしえのとおりに、私をあわれんでください。
    詩 119:34
    私に悟りを与えてください。私はあなたのみおしえを守り、心を尽くしてそれを守ります。
    詩 119:44
    こうして私は、あなたのみおしえをいつも、とこしえまでも、守りましょう。
    詩 119:51
    高ぶる者どもは、ひどく私をあざけりました。しかし私は、あなたのみおしえからそれませんでした。
    詩 119:53
    あなたのみおしえを捨てる悪者どものために、激しい怒りが私を捕らえます。
    詩 119:55
    【主】よ。私は、夜には、あなたの御名を思い出し、また、あなたのみおしえを守っています。
    詩 119:61
    悪者の綱が私に巻き付きましたが、私は、あなたのみおしえを忘れませんでした。
    詩 119:70
    彼らの心は脂肪のように鈍感です。しかし、私は、あなたのみおしえを喜んでいます。
    詩 119:72
    あなたの御口のおしえは、私にとって幾千の金銀にまさるものです。
    詩 119:77
    私にあなたのあわれみを臨ませ、私を生かしてください。あなたのみおしえが私の喜びだからです。
    詩 119:85
    高ぶる者は私のために穴を掘りました。彼らはあなたのみおしえに従わないのです。
    詩 119:92
    もしあなたのみおしえが私の喜びでなかったら、私は自分の悩みの中で滅んでいたでしょう。
    詩 119:97
    どんなにか私は、あなたのみおしえを愛していることでしょう。これが一日中、私の思いとなっています。
    詩 119:109
    私は、いつもいのちがけでいなければなりません。しかし私は、あなたのみおしえを忘れません。
    詩 119:113
    私は二心の者どもを憎みます。しかし、あなたのみおしえを愛します。
    詩 119:126
    今こそ【主】が事をなさる時です。彼らはあなたのおしえを破りました。
    詩 119:136
    私の目から涙が川のように流れます。彼らがあなたのみおしえを守らないからです。
    詩 119:142
    あなたの義は、永遠の義、あなたのみおしえは、まことです。
    詩 119:150
    悪を追い求める者が近づきました。彼らはあなたのみおしえから遠く離れています。
    詩 119:153
    私の悩みを顧み、私を助け出してください。私はあなたのみおしえを忘れません。
    詩 119:163 私は偽りを憎み、忌みきらい、あなたのみおしえを愛しています。
    詩 119:165
    あなたのみおしえを愛する者には豊かな平和があり、つまずきがありません。
    詩 119:174
    私はあなたの救いを慕っています。【主】よ。あなたのみおしえは私の喜びです。

  • 119:1の「主のみおしえによって歩む人」について、これらの箇所から何が見えてくるでしょうか。
    (1) トーラーの特質・・「完全」「たましいを生き返らせる」
    (2) トーラーに対する愛・・「愛します」「忘れない」「それない」「心を尽くして守る」「昼も夜もそれを口ずさむ」「心のうちにある」
    (3) トーラーが与えられている喜び・・「喜んでいる」「私の喜び」
    (4) トーラーの価値・・「幾千の金銀にもまさるもの」
    (5) トーラーを捨てる者に対する怒りと悲しみ・・「私の目から涙が川のように流れます」「激しい怒りが私を捕らえます。」 
  • 最後に、次のことばを心に留めたい。
    詩 119:18
    私の目を開いてください。
    私が、あなたのみおしえのうちにある奇しいことに
    目を留めるようにしてください。

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