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はからずも、二人の妻(しかも姉妹)と結婚したヤコブ

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32. はからずも、二人の妻(しかも姉妹)をめとったヤコブ

【聖書箇所】 創世記29章

はじめに

  • 1節に「ヤコブは旅を続けて、東の人々の国へ行った。」とあります。旅を「続けて」と訳されていますが、原語は「ナーサー」נָשָׂאです。原義は「上げる」という意味です。手を上げる、顔を上げる、頭を上げる時に使われますが、ここでは「足を上げる」という意味でしょう。ですから、ヤコブはここで新たな気持で、心軽やかに、「足を高く上げて」東の方へ向かって行ったのです。アブラハム、イサクがそうであったように、「行く」という「ハーラク」הָלַךの旅がヤコブにおいても始まるのです。どんな旅となっていくのか。それはアブラハム、イサクとは異なる旅です。ヤコブの「ハーラク」הָלַךの旅を通して、私たちは「アブラハム、イサク、ヤコブの神」がいかなる方であるかを知る旅ともなるのです。

1. はじめて騙されたヤコブ

  • ヤコブといえば、それば騙しの天才の代名詞の存在です。見事に父イサクを騙して一つしかない祝福を自分のものとしてしまいました。ところが、ヤコブが叔父のラバンによって騙されるという経験を生まれてはじめてすることになります。
  • ヤコブはパダン・アラムの井戸で初めて出会ったラケルを自分の妻にしようとラケル父、すなわち母リベの兄のラバンに7年間仕えました。聖書は「ヤコブは彼女を愛していたので、それもほんの数日のように思われた。」と記しています。ヤコブは自分の生涯のパートナーとなるべき女性に対して実に健気であり、また真実であったと言えます。「ラケルは姿も顔立ちも美しかった」とあるように、ヤコブのラケルに対する愛は、どんな苦労も苦労と思えないほどに心地良く、数年の年月もただの一日のように思えさせたのです。しかしそれはあくまでもヤコブの側の都合でしかありませんでした。二人の娘を持つ平和なラバンの家庭にヤコブが入り込むことによって、ただならぬ複雑な環境を実はもたらしていたのです。
  • ラバンはもう一人の娘(姉のレア)のことを思う優しき父でもありました。レアのことをだれよりも思っていたのは父ラバンでした。ですから、ラバンがヤコブを騙したということも、単に、ラバンがヤコブと同じような性格だったとするだけでは不十分です。ラバンがヤコブを騙すことになった事情を私たちは考える必要があります。ラケルに比べて姉のレアの「目は弱々しかった」(29:17)とあります。新共同訳は「優しい目をしていた」と訳しています。原語は「ラフ」רַךという形容詞で「柔らかな、優しい、弱い」と訳されます。「弱々しい」ということばと「優しい」というイメージはかなり違いますが、いずれにしても、ヤコブはラケルの美しさに心が奪われたのは事実です。このことが実は神の計画を実現し、多くの子どもたちが生まれることにつながっていく一因ともなったのです。すべては成り行きではなく、神の計画に従って導かれていくのです。

2. 人の悪をも取り入れてしまう不可測な神の計らい

  • ラバンがヤコブを騙して、二人の娘をヤコブに与えることで、いわばヤコブから多くの子どもたちが生まれ出たことになります。結果的にはヤコブから12人の息子たちと一人の娘が生まれます。神は人の悪をも神の善に変えることのできる方であると知れば、了解できる話です。ヤコブの目に良いと思うものを得たいというヤコブのゆえに、彼は二人の妻をもつことになったとも言えます。実に、神のはからずもは私たち人間の思いや計画を超えていると言わなければなりません。不可測な神の計画です。この神につまずかない者は幸いです。

2011.10.3


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