「ヨエル書」の私訳と注解の試み
「ヨエル書」の私訳と注解の試み
1. ヨエル書についての賛辞
- ヨエル書の注解書には、以下のような数々の賛辞を見ることができます。その引用先は控え、賛辞のみを記すことにします。
●「ヨエル書は聖書の中でも珠玉の文学作品とみなされてきた。」
●「ヨエル書は、表現と主題の両面において人目を引くものがある。真に迫った描写で、ヨエルと肩を並べることのできる者はほとんどいない。災害に襲われた国土、いなごの大群の来襲、裁きの谷にすべての国民が集められる終末についての描写は、筆力満点の傑作である。」
●ヨエル書の構成は、細心の注意を払って劇的な効果をねらったものである。全体のあちらこちらに、きらきら輝く美しさがありそれが想像を絶するほどのものとなっている。
●聖書の中で最高の文学作品というものがあるとしたら、それはヨエル書である。もっと力強く、もっと情熱的に書いた預言書、神の啓示のさらなる高みに達した預言者は、ほかにもいる。しかし、自分の作品を文学的に洗練された美しいものに仕上げるために、これほど苦闘しながら慎重かつ詳細に書き上げてみせた旧約の著者は、ほとんどいない。
●ヨエル書は短いが、卓越して、すばらしく、奥義的である。
●ヨエル書を読むと、誰しも高い感受性を有する人物という印象を受ける。
●ヨエルは・・詩的、かつ、修辞的才能を有している。
- 以上の賛辞の数々を通して、これらをまゆつばとして受け取ることもできますが、果たしてそのとおりだかどうか自分で味わってみたいも思わせられます。ただし、こうした賛辞に賛同できるためには、実際にヨエル書を原文を通して味わってみる必要があります。そんな思いから、78節からなるこのヨエル書の「私訳と注解」をチャレンジしてみたいと思います。
2. 私訳と注解の試み
〔第1章〕
2015.2.2
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