****** 教会は、ヘブル的ルーツとつぎ合わされることで回復し、完成します。******

「この国で再び畑が買われるようになる。」

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36. 「この国で再び畑が買われるようになる。」

【聖書箇所】 32章1節~40節

ベレーシート

  • エレミヤ書の心臓部(29~33章)のパート5である32章には、三つの事柄が記されています。第一は、エレミヤが王の家の監視の家に監禁されていること。第二は、自分の故郷アナトテの土地を買い取る手続き、そして第三は、神のユダに対する計画が真実であったことを賛美していることです。
  • この章にエレミヤの書記であったネリヤの子バラク(בָרוּךְ)の名が初めて登場します(32:12, 13, 16)。彼は永年エレミヤに従ってきた人です。ずっと付き添ってきた人物です。36章でバラクの存在が一躍脚光を浴びますので、そこで彼についてまとめたいと思います。

1. 監禁されたエレミヤ 

  • 32章1節に「ユダの王ゼデキヤの第十年」とあります。ゼデキヤはバビロンの傀儡王でしたが、その治世第九年にバビロンに反旗を翻したために、エルサレムは包囲されてしまいます。預言者エレミヤは、主のみこころは反旗を翻して戦ったとしても、バビロンに勝つことはできないこと。主がエルサレムをバビロンの王の手に渡すと語りました。そのためにエレミヤは監禁されてしまったのです。その監禁はエルサレムが陥落したときにも監視の庭にいました(38:28)。

2. 象徴的な預言的行為としてのアナトテの土地の購入 

  • エレミヤのおじの子ハナムエルがエレミヤの監視されている所にやって来て、「アナトテにある土地を買い取ってほしい」と頼みます。なんらかの理由で先祖からの土地を失い、買い戻す権利をもっていた近親者のひとりであるエレミヤに買い取りを頼んだのです。エレミヤは正式な手続きを経て、その土地を買い戻し、購入証書が書き直されないために一つは封印したもの、もう一つは契約内容をいつでも見て確認できるための証書を造り、封印された証書は土の器の中に入れて長期間保存するように、書記のバラクに渡しました。
  • バラクは終始エレミヤと行動を共にした忠実な随行者でした。彼はエレミヤの口述にしたがって、主のことばをことごとく巻き物に書き記した人物です(36:4)。
  • 土地の買い戻しとその証書の作成は、将来、神の民が捕囚から解放されて、再びこの地に連れ戻され、土地が買われるようになるという預言を裏付ける象徴的な行為でした。

3. 32章に見られるヘブル語の修辞的「三点セット」 

【新改訳改訂第3版】エレミヤ書 32章36~37節

36 それゆえ、今、イスラエルの神、【主】は、あなたがたが、「剣とききんと疫病により、バビロンの王の手に渡される」と言っているこの町について、こう仰せられる。
37 「見よ。わたしは、わたしの怒りと、憤りと、激怒とをもって散らしたすべての国々から彼らを集め、この所に帰らせ、安らかに住まわせる。
38 彼らはわたしの民となり、わたしは彼らの神となる。

  • 上記の聖句の中に、以下のように「三点セット」を見つけることができます。たまたまそうなっているのか、あるいは、ヘブル語特有の修辞法なのか分かりません。

画像の説明

  • A とBは、神の裁きの様相を現わしていますが、Cは、回復の約束が記されています。
    ここで注目したい点は、三つのグループ(A~C)の中に、さらに三つの言葉があります。これらのことばをヘブル語(基本形)で表してみると以下のようになります。

A・・「剣、ききん、疫病」この定式はエレミヤの特愛用語で、エレミヤ書には11回(14:12/21:9/27:13/29:17/32:24, 36/38:2/42:17, 22)。

B・・「怒り、憤り、激怒」の定式。エレミヤ書ではこの組み合わせは2回(21:5/32:37)。

C・・「集め、帰らせ、住まわせる」の定式で、回復的預言の意味で使われているのはエレミヤ書では4回(23:3/29:14/31:8, 10/32:37)

  • 興味深いことに、上記の語彙のヘブル語を見ると、三点セットの中に以下のように共通する文字があるのが分かります。
    画像の説明

4. 全イスラエルの回復の預言のキーワードとしての動詞「カーヴァツ」

画像の説明
  • 全イスラエルの回復の預言のキーワードとして「集める」という意味の「カーヴァツ」に注目したいと思います。この動詞は特にイザヤ書、エゼキエル書の特愛用語ですが、回復的預言の意味で使われているのは以下を参照のこと。
    (1) イザヤ書
    11:12/43:5/49:18/54:7/56:8, 8/60:4, 7/66:18。
    特に、56:8には「イスラエルの散らされた者たちを集める神である主」とあります。
    (2) エゼキエル書
    11:17/20:34, 41/28:25/34:13/36:24/37:21/38:8/
    特に、20:41では、「連れ出し(יָצָא)、集め(קָבַץ)、受け入れる(נָצָה)」とあります。ここも「三点セット」になっており、「ツァーディ」(צ,ץ)の文字が共通しています。
  • ちなみに、「カーヴァツ」がイスラエルの回復のために用いられるときは決まって強意形のピエル態です。

2013.3.22


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